世はなべて事もなし

2008年 哲学 旅行
世はなべて事もなし

お久しぶりです。

いろいろあって、日記更新が滞っておりました。
海外旅行してたとか、入院してたとか、そーゆーイベントはありません。夏の暑さに負けて、気力が失せていただけさ。ははは。

この3週間で、いくつかの事件はあった。
1つは、友人がマルチ商法にはまってしまったこと。起業家向けセミナーに参加していたら、いつの間にかマルチ商法のマインドコントロールを仕掛けられていた。「××××」という団体なんだけど、検索するといろいろ苦情や被害の情報が出てくる。このまま放っておくと、どうなるか?

  1. マルチ商法に失敗して、借金まみれになる。
  2. マルチ商法に成功して、人間関係を切り売りする人物になる。

いずれにせよ、好ましい話ではない。

──さて、どうすべきか?
友人としては救ってやりたいが、マインドコントロールされている相手を説得するのは難しい。いや、難しいのはその先だ。

20代のころ、べつの友人(仮にKとする)が新興宗教にはまってトラブルになったことがある。当時は私も若かったので、真正面から説得を試みたのだが、まったく歯が立たなかった。「こう言われたら、こう切り返す」「こーゆーことを言ってくる友達は、友達じゃない」といった対応がプログラムされていたからだ。
私はKを前にしながら、その向こうにあるプログラムと戦っていたわけだ。

1年後、私たちはKを退会させることに成功する。しかし問題はここからだった。

夢から覚めたKは、自分を恥じるようになった。まぁ、周囲に多大な迷惑をかけちゃったからねぇ。罵詈雑言を浴びせられ、それでも縁切りせず、地道に説得してくれた「本当の友人たち」に顔向けできなくなってしまったのだ。

ほどなくKは私たちの前から姿を消した。地方に就職したわけだが、連絡先を教えてもらえなかった。去る前に問い詰めたところ、Kは「以前ほど無邪気に話せなくなった」と言っていた。友人が恩人になってしまったら、「ばかだな、おまえ」とは言いにくい。つまり私たちは、Kを救ったことで、友情を殺してしまったわけだ。

──話を戻そう。
マルチ商法にはまっている友人を救う方法はいくつか思いつく。しかし半端な解除では、またべつのマルチにはまるだけだ。根治療法が必要だが、あまり手間をかけるのはよろしくない。こういう事だ。

「私はきみを助けない。きみとは友達でいたいから」

さて、どうなることやら。