泳ぐのは誰だ?
2008年 政治・経済 スポーツ 時事ネタオリンピックの取得メダル数を見ると、先進国が大半を占める。
メダルの増減で大騒ぎするのは先進国ばかりで、新興国は「参加することに意義がある」の精神と言うわけだ。優れた選手が先進国に集中して産まれるわけじゃないから、選手の資質や努力以上に、国の支援が作用しているのだろう。
そんな中、選手団の団長が、五輪で勝つためにはもっと金がほしい! と訴えた。国からの強化費補助を、現在の4年で80億から240億に増やさないと、これ以上のメダルは取れないと言う。その金額が大きいのか小さいのか、私にはよくわからない。ただスポーツ選手には莫大な金がかかるんだなと思った。
北島選手が「泳ぐのは僕だ」と書かれたTシャツで自己をアピールしたことは記憶に新しい。確かに泳ぐのは選手だが、それを支えるのは国だ。1人の選手をオリンピック会場に打ち上げるために、どれほど大きなロケットが必要なのか。ぶっちゃけ個人の資質や努力だけでは、オリンピックに出場できないだろう。
だから選手は謙虚になれ、とは言わないけどね。選手は自分のために、利用できるものを利用すればいい。国の威信など気にせず、個人主義でオーケーだと思う。
ただ国としては、それだけ金と期待のかかった選手が若くして引退してしまうのは、やりきれない。選手の幸福はさておき、国策として考えると非常に難しそうだ。
泳ぐのは誰だ?
泳がせているのは誰だ?
泳いでやっているのは誰だ?
泳いでもらいたいのは誰だ?
そんなことを考えるから、私はオリンピックを楽しめないんだな。
■福田団長が強化費3倍増を訴え