地蜂の蜂蜜

2008年 食べる 食べる
地蜂の蜂蜜

ついに「地蜂の蜂蜜」を買ってしまった!

「地蜂の蜂蜜は、ほかとは比べようもありません!」
とL氏が力説するので、興味を抑えられなくなった。買ったのは健菜倶楽部が扱う「地蜂の蜂蜜」。いまや貴重品であり、私が買ったのは最後の10個のうち1つだった。現在は販売休止になっている
なぜ蜂蜜を買ったのか。順を追って解説しよう。

蜂蜜について

ミツバチは花の蜜を集めて、巣に貯蔵する。巣の中は蜂の代謝熱によって35℃前後に保たれており、また羽の送風効果によって水分が蒸発し、糖分80%の蜂蜜となる。蜂蜜は栄養価が高く、とても身体に吸収されやすい。これは蜂蜜の成分がこれ以上の消化を必要としないためである。また保存性にも優れ、ほぼ100%腐ることがないと言われている。エジプトで発見された約3300年前の蜂蜜も、まったく変質していなかったそうだ。

最近の蜂蜜づくり

聖書にも「乳と蜜の流れる地」と記されるように、蜂蜜は古代より貴重な甘味料だった。しかし現在では大量生産のため、まがい物が多く流通している。たとえばミツバチの巣箱の前に水飴を置いておけば、ミツバチは水飴をせっせと巣に貯蔵するので、早く、大量の蜂蜜がとれる。あるいはもっと直接的に、水飴でかさを増やして、香料を加えたものもあるそうだ。わが家では安い蜂蜜しか買ってないから、私は本物(自然)の蜂蜜の味を知らないかもしれない。

自然の蜂蜜とは?

人為的な花畑より、山野の小さな野花から採取された蜂蜜の方が美味であるらしい。しかし膨大な手間がかかるわりに、ちょびっとしか採取できない。周辺の環境を保全したり、競合するスズメバチを駆逐したり、その手間は聞くだけで気が遠くなる。市場に出回っている蜂蜜のほとんどは西洋ミツバチのものであり、ごくわずかな日本ミツバチの蜂蜜はとても高価になってしまう。
今回購入した宮崎県椎葉村の「地蜂の蜂蜜」も、お値段なんと16,800円! 発狂しそうなほど高いけど、一生に一度と思って決断した。

スーッと、さわやかな甘み

というわけで、品物が届けられた。立派な木箱に入っていたが、用があるのは蜂蜜だ。開けてみると、いつもの蜂蜜と色やとろみがちがうぞ。

高かったのだから、驚くほど美味でなければ納得できない。そう思って舐めてみたが、驚くほど美味だった。ものすごく甘いのに、頭が痛くならない。スーッと爽やかで、なんとも形容しがたい甘さ。蜂蜜の味がするけど、蜂蜜らしくない。うーん、こりゃ納得だ。

パンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜたり、料理に使おうと思っていたが、とんでもない。これはちょっとずつ舐めていくことにしよう。腐らないので大切に保管して、ちょっとずつね。

相次ぐミツバチの失踪

いま世界中で、ミツバチの「集団失踪」が相次いでいる。ミツバチが巣から出たまま戻ってこなくなるそうで、養蜂家が困り果てているらしい。原因不明。テレビで見たときは、遠い外国の話と思っていたけど、日本ミツバチも同様だった。

「地蜂の蜂蜜」も、日本ミツバチの激減によって確保が難しくなり、通販コーナーから外されてしまった。台風などの影響ならいずれ回復するだろうけど、原因不明というのはやりきれないね。ひどく不気味な感じがする。

それはさておき、地蜂の蜂蜜はめっちゃ美味だった。
その感動を、ここに記録しておく。