歌詞の著作権を守ると、幸せになれる?
2008年 政治・経済 Apple iPod 政治
歌詞のコピペ禁止には、どうにも納得しかねる。
iPod touch に歌詞を表示できるようになったので、好きな曲の歌詞を登録しようとネット検索したら、どこのサイトもコピペができない。読むのはいいけど、コピペは禁止というわけだ。
自分が買った曲の歌詞をコピペして、なにが悪いのか?
調べてみると、著作権法によって明確に禁止されていた。
著作権者(作詞・作曲者) 複製権(21条)
サーバー(サイト)へのアップロードを目的としたPCへの著作物データの蓄積およびサーバー(サイト)への著作物データの蓄積
公衆送信権(23条)
サーバーへのアップロードと サイトからクライアントへのデータ送信
歌詞や楽譜は本として販売され、利益の一部は著作権者に還元される。だから勝手にサイトに公開されると利益が失われるという論法だ。
なるほどそうかもしれない。しかしネットで歌詞をコピペしようとする人が、本屋で歌詞本を買うだろうか? 必要なのは歌詞データであって、本じゃない。本を買っても、書き写さなければならないなら、画面から書き写すのと変わらない。つまり本を買うことで、ニーズが満たされるわけではない。
コピペを防ぐことで、作詞家の利益が保護されているのだろうか? コピペできないなら歌詞など読まない。手軽に読めないなら、歌詞を評価したり、作詞家の名前を覚える機会はぐっと減るだろう。現在の法律では引用も認められていないので、気に入った歌詞を日記で紹介することもできない。扱いがややこしいので、歌詞検索などのサービスも発達しない。これではむしろ作詞家の利益を損ねているのではないか?
だから勝手にコピーさせろとは言わないが、わざわざ取り締まるくらいなら、まずは歌詞データの販売をやるべきだろう。売りもせず、利用も禁ずるなら、単なる嫌がらせでしかない。