野菜の見た目と実質

2008年 食べる 食べる
野菜の見た目と実質

青梗菜を食べようとしたら、バッタの死骸が入っていた。

グロテスクなので、かなり驚いた。クレームを出そうかと思ったが、野菜は傷んでないので、そのまま食べちゃった。美味しかったし、異常もない。虫食いでも、規格外でも、味と栄養に問題なければ気にすることはない。

野菜の値段は、農家ではなく、小売店(スーパー)が決めている。小売店は一定品質・一定価格で売りたいから、農家は売れない野菜(豊作で余った野菜、カタチの悪い野菜、虫食い野菜)を大量廃棄することになる。日本は食糧自給率が低いくせに、また輸入作物の安全性が疑問視されているのに、せっかくの国産品を捨てている現実がある。もったいない。

しかし小売店に、一定品質・一定価格を要求しているのは消費者だ。野菜は工業製品じゃないから、品質にバラツキが出るのはやむを得ない。しかし消費者は、野菜の実質(味・栄養・安全)を見抜けない。野菜ではなく、レシピを見ながら料理するため、不揃いだと困ってしまう。
だからバラツキのない野菜を求める。その結果、野菜の供給システムが疲弊し、食品の安全性が揺らいでしまっている。

消費者が変われば小売店も変わり、農家も変わる。しかし変わるのはとても難しい。どうしたって見た目や値札、付加情報に左右される。

ただ我慢しろと言うのではなく、みんながちょっとずつ工夫すれば、社会は豊かになるんだけどね。