国際情勢と日々の暮らし

2009年 政治・経済 政治 海外
国際情勢と日々の暮らし

私が老人になる頃、アメリカと日本はどうなっているだろう?

太平洋戦争でコテンパンにやっつけられ、徹底的に悪者に仕立てられた日本は、「自分で考える外交」を捨てて、アメリカの子分になった。私が生まれた頃には、対米従属は既定路線だったから、アメリカは「見習うべき国」「あこがれの国」と教育された。だから留学するならアメリカがいいと考える人は多かった。

しかしこの数年で、アメリカの権威は大きく失墜した。金融危機の以前から、アメリカの一極主義は批判されていたし、無謀な戦争で国力も損なわれた。気がつけば、アメリカは「迷惑な国」「日本にたかる国」になっていた。失地回復すべくオバマ大統領が就任したが、転がり落ちるような趨勢は変えられそうにない。

アメリカはゆるやかに衰退し、代わってアジア(中国)が台頭するだろう。日本は政治もマスコミも対米従属しているので、そうした「異論」は大きく取り上げられないが、現実味のある未来予測だ。しかし私たちの世代は、アメリカによいイメージを、中国に悪いイメージを植え付けられている。事実が変化しても、イメージはなかなか変えられない。
(アメリカはしぶとく立ち直るだろう)
(中国は手痛い失敗をするだろう)
と考えてしまうが、現実は、
(アメリカはますます日本に金をせびるだろう)
(中国はしたたかに覇権を確立するだろう)
かもしれない。

私は外交官ではないし、莫大な海外資産があるわけでもないから、国際情勢は日々の暮らしに関係ない。いや、関係しようがない。アメリカが失墜して、中国が覇権を握れば、そりゃ大きな影響を受けるだろうが、なにをどうすることもできない。もちろん、日本が世界のリーダーになってくれれば素晴らしいが、それがどういうものなのか、イメージすらわかない。どうすることもできないなら、現状維持してくれる方がいい。

と思うのもまた、イメージかもしれない。
国際情勢が大きく変化している今、なにかできること、備えることがあるのかもしれない。