安物買いの銭失い...でもいい

2009年 政治・経済 物欲
安物買いの銭失い...でもいい

「安物買いの銭失い」という言葉に惑わされているような気がする。

安物は丈夫じゃないので、すぐ壊れる。すると同じ品をまた買うことになるから、よけいにお金がかかる(だから高級品の方がいい)……という論理なのだが、実際はどうなんだろう?
高級品でも壊れるものは壊れるし、なくすものはなくす。高級品を買い直す方が、よっぽどダメージが大きい。だったら安物を買い換えていく方が、オトクなんじゃないか?

このあいだ、ヘッドホンが壊れた。
私はヘッドホンをなくさないので、ちょっと高いものを買ったのだ。大事に使っていたつもりだが、左から音がしなくなった。音質はよかったし、買ったことに悔いはないが、2年足らずで壊れてしまうとは思わなかった。ちなみに安物ヘッドホンは壊れたことがない(音質はよくない)。

このあいだ、帽子をなくした。
私は帽子を頻繁になくしてしまう。同じ帽子を2年以上かぶったことがない。注意しているつもりだが、気がつくとないのだ。ポケットから落ちてしまうのか、電車のシートに置き忘れてしまうのか。長崎でなくした帽子は気に入っていたので、かなり落ち込んでいる。

私はビニール傘しか買わない。
傘は天下の回りもの。ちょっと目を離したすきに盗まれてしまう(消えてしまう)ので、高い傘は買えません。ビニール傘はあっという間に壊れるけど、そもそも使い捨てと認識しているから気にならない。高い傘だと、雨が降ったときにもってないと、さらに悲しい気持ちになる。

壊れたり、紛失する確率が同じなら、高級品を買うのは、悲劇のボルテージを高めるだけだ。愛したものを失う悲しみを思えば、文句を言いながら安物と付き合う方がシアワセかもしれない。

「いいや、やっぱり高級品はちがうよ。安物3つ買うより、高級品1つの方がいいね♪」

という例を、私はまだ知らない。