市民団体が迎撃中止を訴え / 今そこにいる驚異

2009年 政治・経済 時事ネタ 社会
市民団体が迎撃中止を訴え / 今そこにいる驚異

2009年4月2日現在、北朝鮮のミサイルは打ち上げられていない。

搭載されるのが弾頭なのか、人工衛星なのか、はたまた日本に落下する軌道を描くのか、現時点ではわからない。しかし万が一の場合に備え、迎撃態勢が整えられている。こうして自衛隊が動くと、決まって抗議する人たちが現れる。

「迎撃中止を」市民団体が訴え

北朝鮮の「人工衛星」名目での弾道ミサイル発射に備え、自衛隊が迎撃態勢を取っていることに対し、複数の市民団体が1日、防衛省(東京都新宿区)前で、迎撃中止を求めるアピールをした。
約30人が「『迎撃』名目のミサイル防衛発動を許すな! 4・1防衛省行動実行委員会」などの呼び掛けで集まり、「迎撃名目の戦闘態勢だ」「地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)は、平和憲法の枠組みを超えており、市民生活を脅かす」などと訴えた。

──頭上に落ちてくるものを、よけちゃ駄目なの?
──こいつらは北朝鮮の手先ですね
──市民生活を脅かしているのは誰か、考えてみろよ!

mixiニュースを見ると、おおむね批判的な意見で埋め尽くされている。
そりゃそうだ。この情勢で、迎撃態勢をとらない方がおかしい。迎撃の条件は限定的だし、自制を求める交渉もつづけられている。拳銃をちらちら見せる相手に、なんの反応もするなってのは無理な話だ。ここまで隣国を緊張させる行為を、「平和的な宇宙開発」というのは詭弁であろう。

しかし一方で、気をつけなければならないこともある。
歴史をひもとけば、戦争はいつも、「外国の驚異に対する、やむを得ない自衛行動」に端を発している。そして「やむを得ない自衛行動」と、「過剰な自衛行動」の境界はあいまいだ。気がつけば勢いがついて、反対意見を言えなくなる。日本人であれば、こうした流れの怖さは想像できるだろう。

もちろん、市民団体とやらを擁護するつもりはまったくない。
適切な行動をとらなかったことで滅びたり、虐げられた国も多いからだ。こいつらの主張には、現実を見据えた理念が感じられない。
人類が戦争を放棄できないのは、それに代わる最終手段(Ultima Ratio)がないからだ。

未来がどうなるかはわからない。いま、言えることは、本当に迷惑な連中が今そこにいるってことだ。