決断力のない人の時代が来ました
2009年 社会 仕事ケータイCMに出てくる、「決断力のない人の時代へ」というフレーズを気に入っている。
二画面あるから、見たい番組を両方見られる。しかも録画できる。もう、悩まなくてイイ! 考えなくてイイ! 決めなくてイイ! 決断力のない人にオススメというわけだ。
考えてみると、「便利さ」とは、「決断力を先送りできること」かもしれない。
- ケータイがあるから、合流方法を考えずに外出できる。
- コンビニがあるから、お弁当や水筒を用意するかどうか、悩まずに済む。
- 冷蔵庫があるから、ちょっと多めに買っても保存できる。
- HDDの容量が大きいから、とりあえず全データを残しておける。
おかげで私たちは、なにも考えずに行動できる。
現代はすでに、「決断力のない人の時代」だったわけだ。
◎
技術や社会の進歩が、その恩恵として「決断の先送り」をもたらすとすれば、現代人の決断力が衰えるの無理はない。現代人にとって決断力は、ふだん使わない能力なのだ。
仕事においてもそうだ。クライアントにAかBかを決めさせるのは、ものすごーく難しい。お金や権力のある人ほど決断を先送りする(できる)からだ。また決断の重圧に慣れてないので、決断せざるを得ない状況になると、ストレスで怒りっぽくなる。始末に負えない。
しかし、このCMを見ていて気づいた。
AかBかを選ばせようとするから、衝突するのだ。逆に、AかBかを悩まなくてもいいサービスを提供すれば、きっと喜ばれるだろう。それで選択の余地がなくなったとしても、かまわない。なぜなら、選択肢が1つになれば、決断の重圧はかからないから。
よーし、明日から「決断力のない人向けサービス」を展開しちゃうぞぉ!
そう、決めた。