[ゲーム] TRPG ダンジョンズ&ドラゴンズ の思い出

2009年 娯楽 ゲーム
[ゲーム] TRPG ダンジョンズ&ドラゴンズ の思い出
「D&D」作者・アーンソン氏が死去
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の作者であるデイビッド・アーンソン氏が4月7日に死去した。61歳だった。共同作者のゲイリー・ガイギャックス氏も昨年死去している。

少し、思い出を語ろう。

「ダンジョンズ&ドラゴンズ(Dungeons & Dragons / D&D)」は、ファンタジーテーブルトークRPG。世界最初にして、最大規模を誇る。おおまかな特長を挙げると、こんな感じ。

  1. プレイヤー1人につき、1人のキャラクターを受け持つ。
  2. プレイヤーは、キャラクターの職業や能力に応じた役割を演じる(ロールする)
  3. 経験値が貯まると、キャラクターの能力(レベル)が成長する
  4. 情報提供や行為判定などは、ゲームマスターが行う。

なにより特筆すべきは、勝敗を目的にしないことだろう。
怪物と遭遇しても、戦わなくてもいい。(成功するかどうかは別にして)交渉してやり過ごすのもアリだ。そもそも怪物が巣くう地下迷宮に、行くのも行かないのも自由だ。大切なことは、「キャラクターらしさ」を演じきること。一生懸命がんばったのに、なにも手に入らない日だってある。だが、それがいい。

テーブルトークRPGの楽しさは、やってみないとわからない。
高レベルの万能キャラより、低レベルでもクセのあるキャラの方がおもしろい。とりわけ、「頭の悪いキャラ」はたまらない。人の話を聞かず、思い込みで行動し、みんなに迷惑をかける快感は、そうそう味わえるものじゃない。

高校時代、「D&D」に詳しい友人と知り合って、のめり込んだ。
それは放課後の冒険だった。方眼紙に地図を書き、チップを動かし、ダイスをふる。学校を追い出されると友人宅に転がり込んで、そのまま深夜まで剣を振るう。
新しいサプリメントを求めて、神保町へ行く。日本語訳がないから、輸入版を辞書片手に読む。すぐ近くにメタルフィギュアがあって、誘惑に負ける。
まぁ、同世代で「D&D」をやってた人は、みんな同じような行動をしたんじゃないかな?

20代になると、さらに濃密なファンと知り合いになった。
喫茶店や公民館の一室を借りて、セッションを開催する。設定にこだわるゲームマスターは、オリジナル世界観のガイドブックを自作する。本格的なメタルマニアは、テーブルを埋め尽くすモンスターの大軍を再現した。もう、楽しくて仕方がなかった。

しかし20代中頃になると、セッションの開催は少なくなった。
家庭の事情、会社の事情、いろんな事情が、ゲームの喜びより優先されてしまう。「テーブルトークRPG」というジャンルは、一時は専門店や専門誌まであったのに、今はコンピュータゲームとトレーディングカードに席巻されている。ブームは終わったのだ

ブームは終わったが、その命脈は今も生きている。
「D&D」がなかったら、「グローランサ」や「トラベラー」はなかったし、「Wizardry」や「ドラクエ」もなかった。現代のゲーム文化もちがったカタチになっていただろう。今では「D&D」を知らないクリエイターが、その系譜を広げている

ゲイリー・ガイギャックスとデイブ・アーンソン。
ロール・プレイング・ゲームの基礎を作り、私たちに感動と興奮を与えてくれた2人の功績に敬意を表しつつ、ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

あぁ、久しぶりにダイスを振りたくなった。