mxiアプリが示す可能性

2009年 科技 mixi ゲーム
mxiアプリが示す可能性

ちょろちょろ、mixiアプリを試している。

ワンアイデア、単機能ものばかりで、凝ったものは少ない。そのぶん軽快に動作するかと言えば、そうでもない。とりわけゲームはバグが目立つ。商品だったら、クレームものの低クオリティだ。

しかし現状、mixiアプリは無料である。「イヤなら使わなければいい」で済んでしまう。実害が及べば文句も噴出するが、そうならないよう、mixiメイン機能群と切り離されている。mixiアプリが落ちても、日記データが飛ぶようなことはないだろう。

てなわけで、mixiアプリは「思いつきをよく検証せずに提供できる場」となっている。その意味するところは大きい。

ゲームはアプリケーション開発は、パーフェクトな商品を目指している。
バグもクレームもなく、大量に売れて、シリーズ化できる商品こそが成功であり、それ以外は失敗なのだ。だから検証に検証を、調査に調査を重ね、入念に準備される。この準備によってますますコストがかさみ、ますます失敗できなくなる。こうなると、データを恣意的に解釈する人が混じって、いざ販売してみると思ったほど売れなかったり、思いもよらぬバグが見つかったりする。

しかし当たり前のことだが、パーフェクトな商品などありえない。
やってみなけりゃわからないことは、やってみなけりゃわからない。企業が過去の成功をなぞるのも、冒険的な作品で失敗するのを恐れるせいだ

ひきかえ、mixiアプリは失敗できる。いい加減なものを提供しても許される。
それだけじゃない。
mixiのサポート掲示板は、親切な人たちの書き込みでいっぱいだ
「○×はバグだ!」といったクレームだけでなく、
「△を□にすれば、もっとよくなります」といったアイデア提供もある。
なかには、緻密な設計を披露する人までいる。ゲームそのものより、サポート掲示板のアイデアラッシュの方がおもしろい

mixiアプリで提供すれば、ユーザーの意見や要望を容易に集約できる。言うなれば、βテスターや開発支援スタッフを無料で集められるわけだ。開発コストも大きく圧縮できるだろう。

mixiアプリ開発者は、1ページビュー(PV)あたり最低0.01円が報酬となり、金額はPVに応じて上がっていく。また課金システムの仕組みも用意され、課金収入の8割は開発者の取り分となる。
企業だけでなく、個人でも参加できる。アクセス数の低いサイトでちまちま努力するより、mixiアプリで腕試しする方が効率的だろう。たとえば私がゲームブックを書いて、第一章は無料配布、残りは有料にすると言ったアプローチもある。ユーザーの投稿をもとに、結末をすり替えることもできる。

将来的には、ゲームやアプリケーションを店頭のパッケージで買うことはなくなって、実験的な作品が数多く流通し、クレームが多いく(注目される)作品が磨かれていくスタイルが定着するかもね。