やればできる市民

2009年 社会 犯罪
やればできる市民

 朝起きると、市橋容疑者逮捕のニュースがばんばん流れていた。

市橋容疑者、大阪で逮捕=逃走2年7カ月「弁解何もない」-英女性死体遺棄(時事通信社 - 11月11日 01:02)

 千葉県市川市のマンションで2007年3月、英会話講師の英国人女性リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=の遺体が見つかった事件で、大阪府警は10日、死体遺棄容疑で指名手配されていた市橋達也容疑者(30)を大阪市住之江区の大阪南港フェリーターミナルで発見、同容疑で逮捕した。

 昨夜は早く寝てしまったので、気づかなかった。2年7ヶ月も逃走したのに、整形報道からわずか5日で逮捕されるとは。これは明らかに、世間の注目度が一気に高まった結果であろう。もし整形していなければ、まだ逃亡していたかもしれない。
 本気になった市民の力を思い知った。全国1億2千万の目は、どんな監視システムより有用だった

 そこで思うのだが、ほかの逃亡犯も、同じように見つけられないだろうか? 犯人逮捕を切実に願う被害者は多い。市橋容疑者のように、たまたまニュースになるのを待ってはいられない。たとえば、毎月1名ずつ指名手配中の容疑者をテレビで取り上げて、大々的に捜査協力を求めるのはどうだろう? 非公式にトトカルチョを組めば、さらに盛り上がる。なんせ市橋容疑者は、5日で見つけられたのだから。

 市橋容疑者逮捕に協力した人には、警視庁から懸賞金1,000万円が支払われる。捜査特別報奨金制度(懸賞広告制度/公的懸賞金制度)は2007年にスタートしたばかりで、今回が初の適用となる。何人に、どのように支給されるかは協議中だが、その様子が報道されれば、発見協力の動機付けの1つになるだろう。

 もちろん、懸賞金目当てで通報する人は少ない。そんなことより、「悪人を見つけ出す」というパブリックな目的こそが、世間をその気にさせる。みんなで一致団結し、次々と悪いヤツを見つけ出す。なかなか痛快ではないか。まぁ、度が過ぎれば、息苦しい監視社会になるかもしれない。しかし官憲に監視されるよりずっとマシだ。犯罪者の逃亡が抑止されれば、捜査費用も減る。その経済効果を考えれば、「指名手配チャンネル」を創設する価値があるかもしれない。

 ニュースを見ながら、そんなことを考えた。