[特撮] オールライダー対大ショッカー / 見る順序がよかった

2010年娯楽娯楽特撮特撮：ディケイド

『劇場版仮面ライダーディケイドオールライダー対大ショッカー』を見た。

いやぁ、おもしろかった！　大満足、そして超びっくり！
つーか、これって事実上の最終回でしょ。謎もほとんど解明されたし、エンディングも清々しい。こんな映画を、TVシリーズ放送中にやっていたのか！　にもかかわらず、あんな最終回にしちゃって、あんな完結編にしちゃったのか！　ひょえー！

TVシリーズ　→　完結編　→　ネット版　→　オールライダー

の順で見たけど、大正解♪
以下、ネタバレで感想メモ。

問答無用のライダーバトル！

士が写真を撮っても歪まない＝ここは士の世界。士に妹がいたことが判明し、とんとん拍子でライダーバトルが開催される。なんだかなーと思いつつも、ライダー同士の戦いは楽しい。バイオライダーの液状化を、555のポインターで固定できるとは思わなかった。

あっと驚く主人公の正体！

門矢士は、
大ショッカーの大首領だった！！
ラスボスがオヤジとか、自分の分身といったパターンはあったけど、ご本人様ってのは新しい！洗脳されたり、人格が入れ替わったわけじゃない。士の尊大な態度も、大首領ゆえのことだった。悪人だった記憶を取り戻しても、ぜんぜん態度が変わらない主人公ってのも、すごいな。

巣に置き去りにされた雛

夏みかんとユウスケは「士は妹のために大首領になった」と考えるが、ぴしゃりと否定される。士は引きこもりの妹をほったらかして、自分だけ世界で遊びほうける少年だった。あちゃー。世界を渡り歩く能力に得たことで、士は世界を救う(＝支配する)夢を見はじめる。全知全能ゆえの思い上がり。こいつぁ、本物だ。本物の大首領ですよ！

一方、置き去りにされた妹の恨みは根深く、月影と結託して兄を放逐してしまう。妹ではなく、妹が選んだ男に蹴落とされるあたり、泣けるで。
さすが大首領の妹だけあって、その精神力はクウガを支配するほど強い。こーゆー病んだ娘、大好き♪

仕組まれた旅だったのか

大首領はライダー討伐の旅に出ていたが、途中で記憶とディケイドライバーを失ったため、光写真館に身を寄せる。厄介者でしかない士を預かって、珍客が来ても驚かないオーナー・栄二郎の正体は、死神博士だった。その孫娘である夏海は、ライダー大戦(大首領の勝利)の夢を見たり、ディケイドライバー(大首領の道具)を発見したりする。これは偶然じゃない。士の旅は、大ショッカーに支援されていたのだろう。『完結編』は忘れる。夏海は死神博士の孫娘なんだ。そうに決まってる！

納得のディエンド

ディエンドも飛ばしまくり。ライダーバトルはシード参戦したのに途中退場。戦闘員に化けたり、Jを連れてきたり、ギギの腕輪を盗んだり、返したり……。ディエンドには、なにか目的があると思っていたが、ちがう。こいつはトリックスターだ。そうとわかれば、けっこう楽しめる。世界の危機を救うため、助けを求めた相手が、「祭り」好きの王蛇と「地獄」好きのキックホッパーって、海東、やる気ないだろ！　案の定、敵対した２人。それを食い止めるため召還したのが、(王蛇に倒された)ライアとガイ、(地獄兄弟の片割れ)パンチホッパーってのも、ふざけすぎ！

ディエンドライバーは、大ショッカーが開発したものだった。ある意味、チノナマコ・ディエンド変身態の「KAIJIN RIDE」の方が、正しい使い方だったのかもね。海東はどうやって盗み、どこで大首領(士)と出会ったのだろう？　外伝を作ってほしいなぁ。
興味は尽きないが、ディエンドは大いに納得できた。

残された謎

かたや気になるのは、鳴滝と紅渡の正体──。結局、鳴滝は正しかった。大ショッカーの大首領が世界に橋を架けてまわっているのだから、各世界のライダーに「世界の破壊者」「悪魔」が来ると警告するのも無理はない。「おのれ、ディケイド」も、「おのれ、ショッカー」と置き換えれば、危機感が伝わってくる。本作でも鳴滝は、夏海を助けたり、ディエンドに助けられたりと、単純な悪ではない側面が描かれているが、鳴滝はどこから来たのだろう？

本作には出ていないが、紅渡は立ち位置が不可解になった。大首領に「ライダーを倒してくれ」と頼んだのはなぜか？
そういえば結城丈二も、(大首領時代の)士をライダーと認める発言をしていた(V3に認められたライダーマンが、大首領をライダーと認めるのは奇妙だが、おもしろい)。士は大首領でありながら、ライダーの正義をもっていたのだろうか？

こうした期待を胸に、あの最終回や、あの『完結編』を見ちゃうと、ガッカリするだろうな。

私は『完結編』のあとで『オールライダー』を見たので、とても気分がいい。
おもしろかった。

ディケイド、最高♪