スーパーのお弁当

2010年 食べる 食べる
スーパーのお弁当

スーパーのお弁当コーナーが拡大していた。

スーパーでお総菜やお弁当が売られているのは不思議じゃないが、けっこう目立つ位置に常設され、しかも拡大するとは思わなかった。本来、スーパーは食材を買うところ。すぐ食べたいなら弁当屋や定食屋に行けばいい。しかし不況の影響なのか、スーパーが販売する格安弁当が強い訴求力をもってきたようだ

お値段、298円──。
晩飯の食材を買いに来て、野菜や肉をカゴに入れていると、なんだか弁当の方が安くて、お手軽な気がしてくる。調理だけでなく、洗い物の手間も省ける。嫁がいない一週間は、ぐぐっと手が伸びそうになった。

もし嫁と結婚せず、いまも独り暮らしをしていたら、298円の弁当をよく食べただろうか?

独り暮らしだと、料理と洗い物はさらに面倒になる。コスト的にも割に合わない。弁当ばかり食べると栄養が偏りそうだが、実際は自炊の方がヤバイ。独り暮らしだと、作りやすいもの、好きなものしか食べない。栄養バランスなんで二の次、三の次だ。

先日、『ためしてガッテン』で高齢者の栄養失調(低栄養)が取り上げられていた。
連れ合いに先立たれた高齢者が、自分の好みや健康情報に振りまわされ、偏った食事をしてしまうのだ。もし高齢者が自炊せず、スーパーの弁当を食べていたら、偏りはふせげたかもしれない。夫婦が同時に死ぬ確率は低いので、けっこう無視できない話だ。

食べる人(=家族)が多ければ、自炊する方が断然オトクだ。たくさんの食材を消費するから、栄養の偏りもなくなる。スーパーのお弁当コーナーが拡大する背景には、核家族化、個人生活者の増加があるのかもしれない。