休暇は地域別がいいか、業種別がいいか

2010年 政治・経済 旅行
休暇は地域別がいいか、業種別がいいか

ゴールデンウィークを分散させる政策案が、唐突に出てきた。

<休暇分散化>5地域に分け5連休創設 観光庁案
毎日新聞 - 03月03日 20:34

観光庁は3日、秋の大型連休(シルバーウイーク)を創設した上で、ゴールデンウイークとシルバーウイークを地域ブロック別に分散するなどの休暇分散化案を公表した。祝日法の改正案か新法の「休日法」(仮称)案を、早ければ秋の臨時国会にも提出したい考えだ。休暇の分散化で混雑を緩和し、新たな旅行需要を掘り起こして国内観光の振興につなげる狙い。ただし、地域によって休暇が異なることに経済界から懸念の声も出ている。

ナンジャラホイと思ってニュースを見て、ようやく理解できた。つまり景気対策がテーマなわけだ。ゴールデンウィークが分散すれば、混雑が緩和され、観光需要の拡大や、観光地での雇用安定化につながる。公共事業のように税金を直接投入しないアプローチとしては興味深い。

一方で、反対する意見も理解できる。全国展開している会社は、本社と支社で休みがずれてしまう。中小企業は発注元のスケジュールに合わせるから、むしろ休めなくなる恐れがある。なにより、「国民の休暇」という一体感が失われる。それはそのとおりだ。

ポロッと出てきた話なので、期待感より不安感の方が強い。民主党政権で、ちゃんと議論されるのかも疑わしい。いずれにせよ、やる前から結論が決まっている社会実験は避けてほしい

私なりの意見をまとめてみる。

景気対策がテーマなので、経済活動に支障があってはならない。とすれば、地域別より業種別、職種別、それより各企業の都合で任意に休みをとる方がよいだろう。夏休み(盆)に社員が交代で休むのと同じだ。ゴールデンウィークならぬ、ゴールデンマンスというわけだ。

ある程度は自由に休める会社の方が、社員のモチベーションが持続するし、ノウハウも共有できる。ベテラン社員を休ませることが、新人社員の教育になる。こうした効果は、強制的な祝日では期待しづらい。語弊のある言い回しだが、「ゆとり経営」だ。
じつは観光需要より、こっちの方が重要だと思う。

もちろん、まったく休みが取れない会社も出てくるだろうが、ちゃんと休みが取れる会社は、給与以外の魅力を持つことになる。企業の面接で、「うちは春、夏、秋で、2週間ずつ休みが取れます!」と言われたら、ぐらっと来ちゃうよね。

国の号令で一斉に休むスタイルもいいが、その次によいのは、互いに都合を合わせながら休むことだろう。それが駄目ならいっそ、「誕生日の前後一週間は祝日とする」という決まりにしてもらった方がいいかもね。

早ければ2012年から適用される。はてさて、どうなることやら。