電子書籍化の流れ / 先に消えるのは同人誌か

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電子書籍化の流れ / 先に消えるのは同人誌か

電子書籍化が進めば、やがて本屋の本は消えてなくなるだろう。しかしその前に、同人誌が実体(紙)を失うことになりそうだ。今日は、その兆候に気づいた日として記録しておこう。

iTunes Storeからエロアプリが消えたのは2月頃。エロアプリとは、ちゃちなパズルやゲームを解いて、女の子の水着やセミヌードの写真をゲットするアプリのこと。エロとしての刺激は弱いが、それ以前にツマラナイものばかり。なのにAppleは寛容で、エロアプリがダウンロードランキング上に入ることもあった。

それが規制強化によって締め出されてしまった。しかし電子書籍はOKらしい。とりあえずパズルやゲームで客を呼び寄せ、しかるのちに電子書籍に移行させる戦略のようだ。えぐいなぁ。
そして同人誌のアプリが散見されるようになった。同人誌を電子書籍化するサービスもはじまった。今はまだ少ないが、やがて数が増えていくだろう。

同人誌は違法アップロードされることが多い。コミケで発売された当日の夜にはスキャンされ、アップロードされ、一週間後には英語、中国語、ロシア語、スペイン語に翻訳され、全世界にばらまかれている。コミケに訪れたことのない無数の外国人が、同人誌を読んでいる時代なのだ
iTunes Storeで販売すれば、こうした被害を食い止めるだけでなく、作者が意図した状態でファンに届けることができるかもしれない。

同人誌の電子書籍化が進めば、コミケ(同人誌即売所)もなくなるかもしれない。しかし今のコミケを支配しているエロは刺激が強すぎるため、iTunes Storeでは扱ってもらえないだろう。一時期は載るかもしれないが、いずれ締め出されることは想像に難くない。

そもそも同人誌は、一般市場から締め出されたファン活動や、特殊な趣味を表現するものだった。電子書籍が普及しても、そこからあぶれるものはあるだろうし、そうしたカオスを受け入れる場といえば、まぁ、コミケしかない。
数年後には、ジェイルブレイクした電子機器を対象とした闇アプリ即売会が開催されるかもね。

電子書籍化の流れで、最初に消えるのは同人誌だが、最後まで残るのも同人誌ということか。


▼同人誌を電子書籍化し、アプリとして配信する「emes -えむえす-」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1192078&media_id=37