パブリックドメインは脅威となるか

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パブリックドメインは脅威となるか

古典探訪をつづけている。

ゾンビ映画の金字塔『Night of the Living Dead (1968)』を観賞した。古い作品なので、演出面はボロボロだが、プロットは素晴らしい。たくさんのゾンビ映画を見てきたが、ラストの鮮烈さは比類ない。なるほど後世に多大な影響を与えたのもうなずける。

パブリックドメイン

『Night of the Living Dead (1968)』や、先日の『The Last Man on Earth(1964)』は、パブリックドメインに入っているため、自由にコピーして、ネット配信できる。たとえば下記サイトでダウンロードできる。DVD画質で4GBほどだ。

https://www.archive.org/details/night_of_the_living_dead

有志による日本語字幕

こうしたパブリックドメインの映画に日本語字幕をつけている人もいる。個人が勝手につけた字幕ではあるが、あるとやっぱり助かる。まぁ、書店に行けば数百円で買えるんだけど、ネットで観賞できるのは便利だ。

https://www.youtube.com/user/bweiga

文学もモニタで読む時代

「青空文庫」というサイトでは、パブリックドメインに入った文学作品を読むことができる。先だって取り上げた芥川龍之介の『藪の中』も、ここで読んだ。文体が古いので読みにくいのだが、iPhoneからも読める手軽さはありがたい。ここでも、数百円の出費が軽減されている。

https://www.aozora.gr.jp/

古典は新作のかかとを踏むか?

著作権の保護期間は、死後50年まで。私たちが老人になるころは、さらに多くの作品がパブリックドメインに入っているだろうから、世の中には大量の無料コンテンツが流通することになる。 もちろん、古典は古典なので、新作ほどの感動はない。なのに保護期間の延長を訴える関係者もいる。その目的は、古典を保護することはなく、新作の販売を邪魔させないためだろう。古典はおとなしく墓の下で眠っていろってわけだ。

いま、コンテンツ産業は大きな危機に直面している。コピー&流通技術の発達、ネット滞在時間の増加、不況による可処分所得の減少、プロ顔負けの作品を送り出す個人……。そしてパブリックドメインが、じわじわ増えていく。
娯楽を楽しむ方はいいけど、娯楽を作り出す方は大変そうだ。