アルゴvsアルゴ / デイトレ暗黒時代?

2010年 社会 社会 経済
アルゴvsアルゴ / デイトレ暗黒時代?

最近のデイトレードは、プログラムによる自動売買が主流なんだって。

プロのディーラーが知識や経験、あるいは直感を駆使するより、プログラムが自動的に売買して、小さな利益をコツコツ積み上げていく方が、より確実に儲かるわけだ。
もともと市場の流れなんて、神ならぬ身の人間に読めるものじゃない。
なんかの本で読んだけど、プロのディーラーと犬が勝負して、犬が選んだ株の方が儲かった、なんて話もある。ワールドカップの結果を、サッカーファンではなくタコが言い当てたようなもんだ。

金融取引が電子化されたことも大きい。プログラムなら、24時間年中無休で市場を監視して、条件を満たした瞬間に発注したり、数千回に小分けすることも可能だ。
カリスマトレーダーなんて、過去の遺物になるだろう。

こうしたプログラムによる自動売買を、「アルゴリズム注文」と呼ぶらしい。
「人間 vs 人間」の戦いでは、その技量が問われもしたが、「人間 vs アルゴ」では勝負にならない。なのでプロもアルゴを導入するため、「アルゴ vs アルゴ」という図式ができあがる。つまり、より高精度なアルゴを手に入れた方が勝つというわけだ。

するとプロ──あるいは人間の仕事は、アルゴの目利きになる。
慎重すぎるアルゴじゃ儲けられないが、大胆すぎるアルゴはリスクを伴う。みんなが同じアルゴを使っていれば、突出した利益は出せないし、損するときもみんないっしょ。誰も使っていないアルゴは大儲けできる可能性を秘めるが、バグがあれば大損害に直結する。
これがSFの話でないことは、ニュースで流れているとおりだ。

バグのないプログラムは存在しないが、デバッグ不可能なプログラムもまた存在しない。そして完璧に近づいた部分はモジュール化され、その上に新たなプログラムが積み上げられていく。やがて、プログラムの全容を把握できる者はいなくなる。

そういえばアイザック・アシモフの短編集『われはロボット』に、ロボットが正しい判断をしたかどうかを検証するロボットを、どうやって検証するかって話があったなぁ...。


デイトレ暗黒時代到来 プロも自動売買におまかせの株式業界
https://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1272952&media_id=105