ホキは安くて、うまかった

2010年 食べる 食べる
ホキは安くて、うまかった

スーパーで「ホキ」という魚が売られていた。

聞いたことのない名前。店員さんの説明によると、ニュージーランドで獲れる魚だって。グラム数は書いてないが、身が詰まった1パックで200円。けっこう安い。試してみよう。

フライパンで塩胡椒で焼いて、ぱくぱく食べる。うん、悪くない。淡泊だけど、おいしいよ。フィレオフィッシュに似てると思ったら、原料だった。なるほどね。

「安い食材は安全」という話がある。安いもので儲けるのは難しいから、ゴマカシがないというのだ。一連の産地偽装事件を例示するまでもなく、一理ある。高いものほど、ゴマカシやすい。価格が倍になっても、おいしさが倍になるわけじゃない。

一方で、「安いものばかり追い求めると、生産者が困窮する」という話もある。多少高くてもいいものを買ってあげないと、いいものを作る人が途絶えてしまう。理屈はわかるが、スーパーで払ったお金が生産者に届くとはかぎらない。
たとえば、米価は半分以下まで値下がりしたのに、小売り価格は変わってない。個別保証制度で農家の収入が増えれば、その分、農協は買い取り価格を下げる(しかし販売価格は変えない)。
お金はどこに消えたのか? 考えるまでもない。

あるいは、「安いものは危ない」という意見もある。理由は説明するまでもないだろう。たくさん獲れるから安いのか、欠陥があるから安いのか? 買う前に見極めるのは難しい。
かといって、高いものに欠陥がないとはかぎらない。

ホキの販売員は、「たくさん獲れるから安いんです」と宣伝していた。冷凍で長期保存できることも、安さの一因らしい。それで納得して買ったわけだが、あとで調べてみると、ホキは乱獲によって絶滅の危機に瀕していた

あぁ......そういう問題もあったか。