現場の反射、上層部の判断

2011年 社会 災害
現場の反射、上層部の判断

 災害対応のずさんさが次々に明らかになっている。

 東京電力の計画停電はぜんぜん計画的じゃないし、JR東日本の運行情報は錯綜した。TV局は目を引くものばかり報道し、被災者の役に立ってない。そして政府(管内閣)は政治主導にこだわるあまり、よけいな混乱を招いているという指摘もある。
 しかし現場はがんばっていることに、疑う余地はない。東京電力の社員や警察官は、まさに身体を張って被害を食い止めている。自衛官の活躍も素晴らしい。海外メディアが賞賛するように、現場レベルの対応はめざましいのだが、巨視的には混乱が目立つ。これは上層部に問題がありそうだ。

「あいまいでもいいから早くしろ!」「はっきりしたことだけ報告しろ!」
「うそをつくな!」「本当のことが言えるか!」
「とりあえず発表することをまとめろ!」
「なんで発表したことを変更するんだ。担当者を呼べ!」

 もし、こんな愚かなことをやっているとすれば、思いつくかぎりの罵倒を浴びせたい。
 だが、いまは駄目だ。いま上層部を追及すれば、責任回避のため、さらに現場の足を引っ張るだろう。だからいまは、どう振り回されても我慢するしかない。

 しかし急場をしのげたら、上層部は反省するんだろうか?
 指示系統のどこに支障があったか? なにを、どのように準備しておくべきか? 現場に任せること、上層部がジャッジすることをどう切り分けるか? 学ぶことは多い。

 まぁ、「上層部」という種族がいるわけじゃない。現場の反射はいいが、上層部の判断が遅いのが、日本人の特性かもしれない。

■菅政権の政治主導演出へのこだわり、混乱を増幅
(読売新聞 - 03月15日 02:40)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1535346&media_id=20