「デマに惑わされないようにしよう。」?

2011年 社会 ネット社会 原発 災害
「デマに惑わされないようにしよう。」?

 デマをデマと見抜くのは難しい。

 「ちょっと考えればわかる」と識者は言うけど、一般人はそんなに賢くない。たとえば、「関係者が内々に漏らしたところによれば……」なんて情報は真偽を確かめようもない。内容で判断しろってのは、酷な話だ。

 今さらだけど、RT(リツイート)の意味がわかった。
 RTすると、発信者を明らかにしたまま転送できる。発信者がわかれば、信頼性もわかるし、続報や訂正も見つけやすい。「友だちの友だちに聞いた話」ではなく、「○×さんの発言」と責任の所在を明らかにできる。
 有名人や識者も間違うことはあるが、よく知らない人や捨てアカウントよりマシだ。

 メールの転送(チェーンメール)だと、発信者も改ざんの有無もあいまいになる。デマが判明しても、発信源(デマゴーグ)を特定できないから、デマが潜伏しやすい。

 Twitterのデマは、RTをたどってデマゴーグを特定できる。RTを使っていなくても、Google リアルタイムを使えば、いつ、誰が発信したか、誰が曲解して、誰が流布に加担しかたをだいたい調べられる。
 有名人がデマをRTしたことがわかれば、はげしくバッシングされる。こうした経験を経て、有名人(フォロワーが多い人)も発言やRTに慎重になるだろう。

 東日本大震災でネットのデマが横行した背景には、人々の不慣れがあったと思う。ネットは匿名社会だが、無責任を許すほど甘くない

  • ネットにはウソがあるという前提で情報に接する。
  • メリットがなくても、善意からでも、ウソは発信される。
  • 情報の信頼性は、発信者(ソース)で確認する。
  • 転送すれば、自分もいくらかの責任を負う。
  • 悪いことをすれば特定され、バッシングされる。
  • 捨てアカウントを使う人は、信頼を得られない。

 今回、うかつな(リ)ツイートで周囲を混乱させた人も、いくらか学ぶだろうが、それでネットが安心というわけじゃない。そもそもネットの情報が信頼できるかどうかを問うのは意味がない。

 この震災で明らかになった最大のデマは、「原発は絶対安全です」というものだった
 ACジャパンが、「今、わたしにできること」というCMで、「デマに惑わされないようにしよう。」と訴えている。まさにそのとおりだ。