自主避難を求める政府を信用できるか?

2011年 政治・経済 災害
自主避難を求める政府を信用できるか?

 政府発表があいまいすぎて、腹が立ってきた。

 もし自分の住む町が、「積極的な自主避難が望ましい」と言われたら、どうする?
 政府の見解では、「そこは安全だけど、念のためで避難してね。でも自分の意志で避難するのだから、政府は支援しないよ!」って意味になる。なんだ、そりゃ? 「いまは安全だけど、危険になる可能性があるから、いつでも避難できるよう準備しておいてください」と言われるなら、避難先がある人は避難するだろうし、なければ準備する。「自主避難」なんて言い方があるかよ!

 もし自分の住む町が、「屋内待避」を通達されたまま3週間が経過したら、どうする?
 ずっと家に引きこもってはいられない。それに自宅待避が通達されている地域は店が開かないし、商品も届かない。そんな場所で生活するのは不可能だ。おのずと避難するしかなくなる。これも、自主避難しろって意味なのか?
 そもそも48時間以上の屋内待避は無意味と言われている。空気が入れ替わってしまうためだ。密閉された家があるはずもない。3週間以上の屋内待避なんて非科学的だ。

 もし自分の住む町が、国際原子力機関(IAEA)に避難すべきと言われたら、どうする?
 しかし内閣府・原子力安全委員会は避難の必要はないと言い張る。政府を信じて居残っても、そんな地域で生活するのは困難だ。結局、自主避難せざるを得なくなる。

 いや......これは自主避難ではなく、難民だよ。

 3月24日、南相馬市長がYouTubeで窮状を世界に訴えた。既存メディアを通さず、政府ではなく、企業やボランティア、世界の人々に自己責任の支援を求めたのだ。これはちょっと……尋常じゃないぞ。
 管総理は被災地を視察したそうだけど、なにかコメントしてほしい。市長の発言は大げさで、政府はすでに十分な支援をしてるんですよね?

 政府への信頼は、かつてないほど失墜した。政治不信というレベルじゃない。震災前から進んでいた「地方の反乱」は、一気に加速するだろう。自主避難した人たちは、もう政府をあてにせず、自立しようとするだろうから。

 あるいは民主党は、国民を政府から切り離そうとしているのか?