[報道・教養] NHKスペシャル「クジラと生きる」 / エコテロリズムに有効な対策は?

2011年 社会 報道・教養 海外
[報道・教養] NHKスペシャル「クジラと生きる」 / エコテロリズムに有効な対策は?

 録画しておいたNHKスペシャル「クジラと生きる」を見た。

 プロパガンダ映画『ザ・コーグ』の舞台となった和歌山県太地町(たいじちょう)は、いまもシー・シェパードによる執拗な嫌がらせを受けていた。違法な破壊、脅迫、妨害、やらせ、ねつ造、なんでもやりたい放題だ。おまけに潤沢な資金があるから、外国で熱心に嫌がらせをつづけられる人材を長期にわたって派遣できる
 恐ろしい。本当に恐ろしい。こんな連中に目をつけられたくないね。

 「環境保護」や「動物の権利擁護」と言った美辞麗句で違法行為を正当化する組織や思想を、エコテロリズムと呼ぶ。そのやり口は、卑劣きわまりない。こんな連中には絶対譲歩したくない。
 とはいえ、エコテロリズムに有効な対策がないのも事実。彼らは要求するだけで、話し合うつもりはまったくない。法律も、文化も、科学的データも無視。外国人と言うだけでなく、言葉が通じない連中だ。
 彼らの論理は破綻しているし、違法行為も露見されている。それでも活動できるのは、注目されることで寄付金が集まるからだ。より注目されるテーマとして「捕鯨」があって、より叩きやすいターゲットとして「太地町」が選ばれたわけだ。

 つまり世間が注目しなくなれば、シー・シェパードも太地町から去っていくだろう。しかし注目を散らすことは、注目を集めることよりずっと難しい。日本政府や太地町の人々は、じっと耐えることで嵐が去るのを待っているが、話題作りのために船をぶつけてくるような連中が相手では心許ない。
 じっと耐えることが有効なら、太地町の苦しみを話題にしない方がいい。シー・シェパードになにをされても……沈黙する。本当にそれでいいのだろうか?

 NHKは、なるべく中立の視点でリポートすることで、多くの人たちにこの問題を考えてもらおうとしている。エコテロリズムへの反感が高まれば、彼らを駆逐できるだろうか? それとも勢いづくだろうか?
 わからない。わからないけど、無視したくない。

 いずれにせよ、戦うべき相手はテロリストではなく、その支持者(馬鹿な金持ち)であろう。人々が聡明になれば、社会はもっと住みやすくなるはずだ。