自家製パンチェッタへの道

2011年 食べる 食べる
自家製パンチェッタへの道

自家製パンチェッタに挑戦してみた。

パンチェッタ(Pancetta)とは、塩漬けされた豚バラ肉のこと。これを温燻すると、ベーコンになる。ベーコンなら2004年に作ったぞ(失敗したけど)。いぶす工程がないなら簡単だろう。自家製パンチェッタでカルボナーラを作ろうじゃないか。
とまぁ、期待に胸をふくらませていたが......やはり失敗だった。顛末を記録しておこう。

1日目(12月7日)

豚肉のかたまり900gを買ってくる。豚バラ肉のつもりが、ロースだった。この時点で失敗確定だが、今回はロースで作ることにする。
適当な大きさに切って、フォークでぷすぷす穴をあけ、塩をすりつける。塩は、肉重量の8~10%くらい。用心のため、やや多めに盛ってしまうんだよね。皿に盛ってラップをかけ、冷蔵庫へ。

2日目(12月8日)

水とドリップが皿にたまっている。表面は肉の赤さを保ったまま。腐った気配はない。もう一晩、寝かせよう。

3日目(12月9日)

「ピチット」で肉をくるみ、冷蔵庫で熟成させる。食品用アルコールがなかったので、料理酒で拭いた。ピチットは食品用脱水シート。浸透圧で食品の水分や臭みだけを抜き取る効果がある。そのへんで売っている品じゃないので、東急ハンズで買ってきたが、2,800円もした。2,800円あれば、それなりのベーコンが買える。ううーむ。
効果を比較するため、半分は包まなかった。

9日目(12月16日)

本来なら2,3日おきにピチットを交換するのだが、今回はやらなかった。ロースだしね。ピチットに包まなかった方はどんどん乾燥していき、カチコチになった。一方、ピチットに包まれた肉はしっとり肉の弾力を保っている。けっこうちがう。
食べてみると、塩がきつすぎた。そうだ。塩抜きしないと。

12日目(12月19日)

食べる前に3時間水にさらしたが、まだ塩辛い。ときどき水を交換しながら24時間さらすと、塩は抜けたが、味気なくなってしまった。水っぽい。塩抜きした水に、うまみも抜けてしまったような気がする。

18日目(12月25日)

通常、パンチェッタの熟成には1ヶ月ほどかかるが、ピチットを使うと2週間で済む。ここで完成だが、目に見える変化はない。熟成の具合より、塩抜き加減が味を左右する。塩が多すぎたのか、水にさらす時間はどのくらいがいいか、さらす前に切っておくか、切る厚さはどうする? 手間はかからないが、難しい。

自家製パンチェッタ
※自家製パンチェッタ

ぶっちゃけ、熟成によって旨味が増したとは思えない。まぁ、ロース肉だし、胡椒やハーブを使わなかったせいもあるが、最大の問題は塩抜き。塩が弱いと腐ったり、黴びる恐れはあるが、もう少し減らすか、熟成前に抜いておきたい。
それに、調理前の塩抜きは面倒だ。すぐ使える方がいいな、と思うが、保存食だから仕方ないところもあるか。

いずれにせよ、ピチットシートはまだ残っている。使い切るまで、試行錯誤をつづけよう。
てなわけで今日、豚バラ肉を買ってきた。新たな挑戦がはじまる。