Megaupload閉鎖を見て、思ったこと

2012年 科技 Webサービス
Megaupload閉鎖を見て、思ったこと

先週、オンラインストレージサービスが連鎖崩壊した。

20日に「Megaupload」の運営者が逮捕されて、閉鎖。インターネット検閲法案(SOPA)が見送られる寸前での逮捕だったから、大きなニュースになった。
業界最大手が刺された余波は大きかった。「FileServe」「FileSonic」「UploadStation」「FileJungle」はのきなみファイル共有機能を停止。通常運用しているサービスもあるが、行き場をなくした人々が押し寄せることで、少なからず影響を受けるだろう。

興味深かったのは「Megaupload」の創業者、キム・ドットコム氏の成金ぶり。詳しくはGIZMODEの記事(https://www.gizmodo.jp/2012/01/the-best-worst-photos-of-megaupload-kim-dotcom.html)を参照のこと。創業者がウハウハの贅沢三昧するのは自然の成り行きだが、逮捕された今となっては虚しいかぎりだ。

オンラインストレージサービスは違法すれすれのビジネスだった。しかも映画産業に多大な迷惑をかけていた。これほどの急転直下は予測できなかったが、いつペナルティを科せられてもおかしくなかった。運営者たちはなんの対策も打たず、ただ自身の快楽を満たしていたのか?

そこで考えてみる。
もしキム氏が莫大な利益でロビー活動していたら、どうなっていただろう?

有罪か否かは法律が決める。法律は政治家が作る。政治家は国民が選ぶ。しかし当選した政治家の活動は、献金してくれた企業の影響を受けやすい。ぶっちゃけ、政治家は資産家のエージェントでしかない。
資産家は、自分の利益を損ねるものを許さない。異物を排除するためなら、カラスも白いとする法律を通してしまう。アメリカの医療や食品産業の傍若無人さをみれば、政治家が国民の方を向いてないのは明らかだ。

急成長した企業は、議員を抱き込むなり、資産家と儲けをシェアするなり、なんらかの「みかじめ料」を払うことになる。まったくの想像だが、「Megaupload」はそうした配慮が欠けていたのかもしれない。しょせん、成金は成金でしかなかったのか。

断っておくが、「Megaupload」を擁護するつもりはない。「Megaupload」は真っ黒だろう。ただ……「Megaupload」以上に真っ黒な企業はたくさんある。しかし賢く儲けを分配することで、法で裁かれるどころか、保護されているんだろうな。

ホリエモンは帳簿操作に関与したわけじゃないのに投獄されてしまった。出る杭は打たれる。違法/適法は関係なく、急成長した人は注意した方がいい。

なんてことを思ってみたりした。
繰り返すけど、「Megaupload」を擁護するつもりはない。