心の受け身を教えてくれ
2012年 哲学 思考実験受け身の話題が出たので、もう1つ。
現代社会は安全・快適だが、ケガする可能性がまったくないわけじゃない。ちょっとした段差につまずいたり、誰かとぶつかったり、あるいは誰かがぶつかってきたり……。ふつうに暮らしていても、思わぬところに危険はある。
そんなとき、受け身が役に立つ。
受け身とは、手足を先に着地させ、身体を回転させることで衝撃を軽減させる技術。きちんとした指導の下、安全な畳の上で受け身を練習しておけば、とっさの時に身体が動いて、ダメージを軽減できる。受け身は生涯、あなたを守ってくれるだろう。
しかし受け身は、物理的なダメージしか軽減してくれない。
世の中には精神的ダメージもあって、これに対応した「心の受け身」も必要だ。
現代社会は安全・快適だが、ストレスで心が折れる可能性がないわけではない。ちょっとしたウソに惑わされたり、誰かとぶつかったり、あるいは誰かがぶつかってきたり……。ふつうに暮らしていても、思わぬところに罠がある。
そんなとき、心の受け身が役に立つ。
心の受け身とは、タテマエを先に着地させ、ホンネを回転させることで衝撃を軽減させる技術。きちんとした指導の下、模擬訓練を積んでおけば、とっさの時に心が動いて、ダメージを軽減できる。心の受け身は生涯、あなたを守ってくれるだろう。
……なんか、絶望先生みたいなネタだな。
使いどころは多い
世の中は期待するほどフェアじゃない。だまされたり、はめられたり、踊らされたり、見捨てられたり、見下されたり……まぁ、いろいろある。そんなとき、心の受け身がとれる人は、むき出しの感情で態度を硬化させず、ひらりと柔軟に着地する。痛みを感じないわけじゃない。受け身によってダメージを軽減しているのだ。
いいなぁ、心の受け身。
振り返ると、心の受け身をとれればケガをせずに済んだ場面がたくさんある。
学校で心の受け身を教えれば、うつ病や過労死、自殺者も減るだろう。