チルド飲料が飲める社会

2012年 食べる 食べる
チルド飲料が飲める社会

スーパーで「バヤリース チルドスタイル」という商品を見かけた。

チルドスタイルってなんだ? よくわからないけど、安かったので買ってみた。ネットの説明によると「すっきりとゴクゴク飲める味わいの果汁飲料」とあるが、たしかにゴクゴク飲めた。こんなゴクゴク飲んじゃっていいんだろうか。まぁ、果汁10%の「果汁入り飲料」であって、「ジュース」じゃないけどさ。ストレート果汁に比べ人工的な感じがするけど、着色料や保存料は使用していない。
しかしチルドスタイルの意味は書いてない。チルドスタイルって、誰でも知ってる言葉? 知らないのは私だけ? 調べてみよう。

チルドとは

「チルド(chilled)」は約1℃~10℃の凍結寸前の温度で保存すること。冷凍やパーシャル(半凍結・微凍結)、通常の冷蔵とは区別される。凍結による組織の破壊がないため、生鮮食品の味や香りを保つことができる。
そういや冷蔵庫のチルド室や、郵便のチルド便で耳にしていたな。

チルド飲料とは

「チルドスタイル」ってのは、チルド飲料のことだろう。
チルド飲料とは、製造から流通・販売までを0℃~10℃の冷蔵状態(チルド)で管理される加工飲料商品のこと。加工していない牛乳や低脂肪乳、チルドビールなどの酒類は含まれない。
缶やペットボトルで販売される飲料は、常温保存できるように加圧や加熱、酸化防止剤などが使用されるが、そのため風味が落ちてしまう。この問題を解決するため、製造から流通・販売まで冷蔵状態で管理する方法が編み出された。

チルドカップとは

この数年で、プラスティックのカップに入ったコーヒー飲料をよく見るようになった。これらは「チルドカップ」と言うんだって。知ってた? [[2005年に発売されたスターバックスラテ]]が印象的だった。
チルドカップは缶や瓶、ペットボトルより素材の香りやフレッシュ缶を高く保つことができるが、これは容器の効果ではない。

チルド飲料が飲める社会とは

チルド飲料は、冷蔵したまま製造できる工場、冷蔵したまま輸送できるトラック、冷蔵したまま販売できるコンビニやスーパーといったシステムによって成り立っている。そういえば子どものころのスーパーは、今ほど明るくなかったし、冷蔵ケースも少なかった。チルド飲料が飲めるのは、高度に発達した社会のおかげか。

ついでに調べてみたが、ペットボトルが発売されたのは1983年で、私は12歳だった。それまでは瓶オンリー。冷たい飲み物が買えるのは、自動販売機だけ。というか、外で飲み物を買う習慣がなかったな。
缶入り烏龍茶の発売は1981年(11歳)、カルピスウォーターは1991年(20歳)。当時は、「家で作れるものを、なぜ外で買わねばならんのか?」と思ったが、今はふつーに買っている。

バヤリースの発売は1951年。61年を経て、チルド飲料になったわけだ。しかも1リットル97円だってよ。べらぼうに安い。チルド飲料は冷蔵庫で保存できないので、すぐ飲みきる必要がある。四十路を越えた私には厳しいが、高校生なら平気だろう。いいなぁ、イマドキの高校生。

いつの間にか「ぜいたく」が、「当たり前」になっている。
すごいなぁ、と思った。