Amazonからメール便で届いた

2012年 政治・経済 Webサービス
Amazonからメール便で届いた

 AmazonでHDMIケーブルと増設用メモリを注文したら、メール便で配達された。

 メール便をもらうのは初めて。こういう方法もあるのか。調べてみると、いろいろ難しい問題があるようだが、それでもAmazonの挑戦と進化には驚かされる。あらゆるものがAmazonで購入できる日が、やがて訪れるかもしれない、と思った。

メール便とは

 メール便は、書類や商品カタログといった郵便法上「信書」ではない軽量の荷物を、郵便物(手紙・はがき)のようにポストに投函する配送サービス。郵便局がやっていると思っていたが、はじめたのはヤマト運輸で、各社が追従していた。考えてみれば、路上のポストは郵便局のものだが、家のポストは誰でも使えるのか。なるほど。

 規格や料金はまちまちだが、だいたい重量1kg以下で、ポストに入る荷物なら運んでくれる。DVDやゲームソフト、書籍、雑貨、ひょっとしたらデジカメや缶詰なんかも運んでくれるかもしれない。小さな部品のために大きな段ボールが浪費されなくなるのは、じつにスムースだ。

 メール便は、宅配便より遅くなるらしい。今回は2日後に届いたから、べつに遅いとは思わない。高度に発達した物流システムは余人の想像を超えるから、遅いときは遅いのだろう。

メール便の不確実性

 メール便は受領印をもらわないから、「配送完了」のステイタスに誤差が生じる。ポストがなかったり、荷物が入らないと言ったトラブルもあれば、ポストから荷物を盗まれたり、受け取ったのに「届いてない!」と言いがかりをつける人もいるだろう。
 どうしても確認できない場合は、再発送することになる。メール便は、利用者の善意を前提に成り立っている。

 手渡しの宅配便に慣れちゃうと、ポストに投げ込まれるメール便は乱暴な気もするが、さにあらず。もともと信書(手紙・はがき)だって、ポストから盗まれることがあるわけで、それゆえ内容証明がある。
 メール便はごくまれにトラブルが生じるかもしれないが、へいきんかすれば送料を圧縮できる。そんな計算もあるんだろうな。

 宅配便は、たまに留守をして、再配送してもらうことがある。それで追加料金を徴収されることはないが、無駄なコストであることは疑いようもない。たとえば、大きなポストが全世帯にあって、24時間自動で受け取りができれば、物流はもっと効率化するだろう。
 いまは夢物語だが、いずれはそうなるかもしれない。

錯綜する配送

 Amazonはどんな商品でも無料で配送してくれる。中には、商品の値段より送料が大きくなることもあるだろう。わざと小分けして注文する馬鹿もいるだろう。それでも大多数の人は、なるべく、まとめて注文してくれる。あるいは、そうなってくれることを期待してのチャレンジだろう。
 もちろん、Amazonは仕入れや配送業者を買い叩いているかもしれない。つまり買い叩けるくらい、Amazonの取引規模が大きくなったとも言える。粗利を削っても、Amazonで売ってもらう方が、Amazonからの配送を引き受ける方が、儲かるのかもしれない。
 時代が大きく変わりつつあるなぁ、と思う。

 Amazonの倉庫から配送される品物は送料無料だが、第三者取引であるマーケット・プレイスはべつだ。マーケット・プレイスは規模が小さいから、送料は削れない。Amazonへの手数料だってかかる。
 とはいえ送料が目立つと、買い物気分は一気に冷めるから、出品者は相当なプレッシャーを感じているだろう。出店者にとって、送料を圧縮できるメール便はありがたいサービスだ。

 今回、2つの商品がメール便になったが、それぞれ別の会社から配送されてきた。Amazonの倉庫に集めておけば、もっと圧縮できただろう。しかしそれでは、販売元の利益が減りすぎる。ぎりぎりの判断なんだろうな。

売り方で値段が変わる

 今回、HDMIケーブルを買おうとしたら、値段の差に戸惑った。いちばん安いのを買ったら、メール便だった。高いのは上質だからではなく、送料を軽減できなかったせいかもしれない。
 高いものでも、大量に売れるなら安くなる。まったく売れず、在庫になっても安くなる。モノの価値は変わらなくても、売り方で値段が変わるわけだ。

 考えてみると、ややこしい時代だ。
 商品に「定価」が印刷されていた時代がなつかしい。