北朝鮮、暴発への期待感

2013年 政治・経済 海外
北朝鮮、暴発への期待感

 またぞろ北朝鮮の「口撃」がエスカレートしている。

制裁決議について「厳しく糾弾し、全面排撃する」
「もはや第2の朝鮮戦争を避けるのは難しい」
「侵略者たちの本拠地に対して、われわれは核の先制攻撃の権利を行使する」
韓国軍の拠点を「精密攻撃する順序と秩序を定めた」
「朝鮮戦争休戦協定の完全白紙化」
「重大な結果の責任は米国と安保理にある」

 国連安保理による制裁決議につづき、昨日からはじまった米韓合同軍事演習に反発しているわけだが、私たちの緊張はちっとも高まらない。「ソウルは火の海となる」と言われて大騒ぎした1994年がなつかしい。
 これで本当になにもなかったら、北朝鮮のヤルヤル詐欺は完全定着する。30歳の若き指導者・金正恩の面目は丸つぶれだ。それでいいのか、北朝鮮?

 北朝鮮はずっと崩壊間近と言われてきたが、なんだかんだで存続している。しかし北朝鮮が、自力で国を開く可能性はまったくない。交渉しようが、制裁しようが、なにも変わらない。ずっと不愉快な隣人のままだ。
 ところが昨今、中国が「北朝鮮を見捨てるカード」をちらつかせはじめた。中国はどうやって、北朝鮮を無害化するだろう? ぎゅーぎゅー締め上げて崩壊させるか、クーデターを起こして親中の傀儡政権を立てるか、統一朝鮮を樹立させて、あいまいな緩衝地帯にするか。まぁ、やり方はいろいろある。

 ずっと変わらないと思っていたものが、ひょっとしたら変わるかもしれない。そう思うと、早く、劇的に変わってほしいと願ってしまう。つまり、暴発への期待感だ。
 長い時間と労力をかけて、じわじわ平和的に無害化するより、軽く暴発してもらった方が、多くの問題を、一気に片付けられるからだ。

 戦争を望んでいるわけじゃない。被害も出ない方がいい。だけど北朝鮮の戦力なら、暴発してもたかがしれている。だから、つい、期待してしまう。不謹慎だけど。

 さて、どうなることやら。
 やっぱり、なにもなく時間が過ぎてしまうのだろうか。