バナナは百年後のおかし

2013年 食べる 食べる
バナナは百年後のおかし

近ごろバナナが安くなった背景には、中国とフィリピンの対立があるそうだ。

南沙諸島の領有権をめぐって対立を深める中国は、フィリピン産バナナに事実上の輸入制限措置を発動。行き場を失ったバナナが日本に流れ込んで、市況を押し下げている。バナナの価格は1年前と比べて1割以上も下がって、過去10年で最安値圏にある。スーパーの品揃えからわかる国際情勢だ。

中国の横暴について思うことはあるけど、バナナが安くなったことはうれしい。台湾産のバナナも安くなっている。私はいつも最安のバナナしか買わないが、たまには豪勢に──50円くらい高めのバナナを買ってみた。
膝を正して食べると、うまいのなんのって。甘くて、クリーミーで、爽やか。バナナって、こんなに美味しかったのか。
その後、最安のバナナを食べたんだけど、膝を正して、真剣に賞味すると、やっぱりうまかった。これほど美味しいフルーツが100円以下で食べられるのか。この幸福を、ふだんは無自覚に享受していたのか。なんと罰当たりな。

ドラえもんの「百年後のおかし」を食べた気分だった。のび太は時間を飛び越えたから感激してたけど、たぶん百年後の人はふつーに、なんの感動もなく食べているんだろうな。

百年後のおかし

バナナは気温が下がると熟成しにくくなり、甘さも減少する。秋から冬にかけては値段が下がりにくくなる。つまり、これからバナナはより甘く、より安くなるわけだ。うひょひょ。