池上彰のよくわかる印象操作

2013年 政治・経済 テレビを消そう
池上彰のよくわかる印象操作

 池上さんの番組を見て、気持ち悪くなってしまった。

 自民圧勝によって安倍総理の政権運営がどう変わるかを解説するんだけど、遠回しな自民党批判だった。
 アベノミクスは目くらましで、安倍総理の野望は日本を「戦争ができる国」にすること。そればっかり。公共事業を批判するのはいいけど、ほかにどんな方法があるというのか? 交戦権がないことで日本がどんな不利を強いられているかも、まったく触れない。アンフェアすぎる。
 そうした背景を、池上さんが知らないとは思えない。知った上で、自民党批判をやっているのだろう。遠回しで、親しみやすい分、そのへんの野党より強力だ。人間が解説する以上、主観が入るのは仕方ないことだが、いささか度が過ぎている。

 池上さんの解説って、昔からこうだったっけ?
 遠回しな自民批判は、池上さんのポリシーとしてやっているのか、テレビ局の思惑が働いているのか? 池上さんはみずからの政治的な立ち位置を明らかにしていないため、わかりにくい。たちが悪いと言えるかもしれない。

 べつに自民党を応援しろと言いたいわけじゃない。しかし安直な自民批判は、民主党の政権交代という最悪の結果をもたらした。日本の政治が進化せずとも、政治を見る目は進化しなければならない。
 池上さんには本当の意味で突っ込んだ、多くの人が目をそらす、表立って議論しづらい、生々しい現実問題を解説してほしいが、それじゃテレビで放送できないか。書籍やネットならやれるだろうけど、テレビの仕事がなくなっちゃ困るだろう。落ち目になればやれるが、それじゃ遅い。
 うーん。

 気圧の解説とかはおもしろかったんだけどなぁ。
 池上さんの評判が高まるにつれて、信用しづらくなったのは悲しいことだ。