少数派、反対派は論拠を示すべき
2013年 社会 社会ネットの普及によって、少数派や反対派の意見にふれる機会が増えた。
これは人類史上、驚嘆すべき事態なんだけど、あまり意識されてないよね。ネットの普及と、言論の自由がないと成立しない。日本は理想的な国家じゃないけど、ほんとうに素晴らしい国だと思う。
しかしそうして傾聴できるようになった少数派、反対派の意見は、がっかりするものが多い。たとえば、原発に反対、東京オリンピックに反対、憲法改正に反対、消費税に反対、リニアモーターカーに反対、電子教科書に反対など。
これらの問題に私が賛成しているわけじゃない。正しい判断をするために、少数派、反対派の意見も聞きたいのだが、多くが感情的で、参考にならないのだ。
- 推進派はデータを提示していない! (反対派はデータがあるのか?)
- ○×の恐れがある! (特殊な例で、個別に対応可能では?)
- 優先順位がちがう! (並行できないこと?)
- 不安だ! 違和感がある! 乱暴だ! (気に入らないと言いたいだけ?)
- 言論の自由を封殺している! (だから議論しましょう)
多数派や推進派の意見が正しいわけじゃない。ネットの検証によって、マスコミや政治家のウソもだいぶ暴露された。多数派が正しいとか、少数派がまちがっていると言いたわけじゃない。
ただ、少数派は科学的な論拠を示す義務があるだろう。
多数決をくつがえせるのは、科学的な論拠だけだ。科学的な論拠があるのに多数決で押し切られたら問題だが、論拠も説得力もないのに「少数派を無視するな」と言うのはスジ違いだ。
では論拠や説得力がない少数派は、多数決に文句を言えないのか?
言えないでしょう。
論拠や説得力がない少数派が多数決をくつがえしたら、それは暴力になる。多数で少数を封殺する社会より、ノイジー・マイノリティが多数決をひっくり返す社会のほうが怖い。
まぁ、ネット革命は始まったばかり。理知的な議論が活発になれば、ノイジー・マイノリティも排除されていくだろう。まぁ、あと100年くらいかかるかもしれないが、ちょっぴり期待している。