リアル店舗はギャンブルだった / Amazonが「投機的出荷」の特許を取得
2014年 政治・経済旧聞になるが、書き残しておきたい。Amazonが、客が買う前から商品を発送する「投機的出荷」の特許を取得したそうだ。
売れそうな商品をあらかじめ中間地点まで運んでおくことで、配達時間を短縮する技術のことらしい。中間地点というのはトラックの中も含まれるから、購入ボタンを押した瞬間、ピンポーンなんてこともありえる。
「Amazonの方が安いけど、すぐ使いたいからリアル店舗に行くか」
という人を減らすことが目的なんだって。うはぁ、そこまでやるか、Amazon。
あなたの明日の購買を予測する
正式名称は「予測商品配送のための手法とシステム」(Method and System For Anticipatory Package Shipping)。「投機的出荷」、「予測出荷」などと呼ばれる。
Amazonは過去の購入履歴、検索履歴、ウィッシュリスト、ショッピングカートの内容物、返品実績、商品を閲覧していた時間などから、客が買いそうな商品をあらかじめ出荷。搬送中に注文があれば、そのままお届けする。注文がなければ、中間地点にストックする。
最後まで注文されなかったら、元に戻さず、そのまま無料提供するほうが費用対効果が高くなるかもしれないと示唆されている。なんだかコンビニ弁当が値下がりするのを待って、待って、待って、廃棄されるところをもらっちゃうみたいな話だ。待った方がオトクに見えるが、セコさも記録されるから、そう簡単に出し抜けないだろう。
リアル店舗はギャンブルだった
すべてのリアル店舗は、売れそうな商品をあらかじめ仕入れている。どの商品が、どのくらい売れるか、入念に調査している。
Amazonが開発したアルゴリズムは、それらと一線を画すが、それでも「投機的」と呼ばれる。Amazonにとってリアル店舗(というビジネス)は、投機よりリスクが高いギャンブルなんだろうな。
貯蓄 > 投資 > 投機 > ギャンブル
あるブロガーがAmazon社員にミッションを訊ねたところ、
「世の中にあるリアルショップをすべて無くすこと。それも10年以内に」
と即答されて言葉を失ったらしい(https://d.hatena.ne.jp/chakichaki/20130705)。
Amazonなら、やってしまうかも。
私たちが知るリアル店舗というビジネスは、10年後には古い時代の遺物になっているかもしれない。