チラシのため新聞をとるか?

2014年 政治・経済 新聞
チラシのため新聞をとるか?

 実家の母が、ふたたび聞を購読しはじめた。

 新聞に懐疑的な私がパソコンとiPadを買って、辞めさせたわけだが、「それでもやっぱり紙で読みたい」と言う。私の反対で、モニタで文字を読むのはつらいそうだ。もちろん私は納得できないが、絶対にダメというほどの話じゃない。なので、放置することにした。

 この話を友人Eにしたところ、思わぬ議論になった。

「それはそれで正しい判断かもしれない。チラシがあるからな」

「チラシ? そんなもの、アプリで読めるじゃん」

「読めることと、目に入ることはちがう。ネットだと、自分が見たいものしか見なくなる。だから自分の知らないところ、興味がないところが、死角になる」

「へえ」

「たとえば先日、近所にスーパーがオープンしたんだけど、まったく気が付かなかった。なのでオープンセールを逃してしまった。チラシを見ていれば気がついたのに。
 おれはチラシのため、新聞を購読しようか迷っているよ」

「そこまでか」

「まぁ、いい店がすべてチラシを出すとはかぎらないから、新聞購読ですべてが解決するわけじゃない。ただまぁ、必要なもの、興味があるものばかり見てると、思わぬ見落としができるから、注意が必要だよ」

「そうかもしれないなぁ」

 つまるところ、「情報源は多角化せよ」って話だった。まぁ、グーグルストリートビューで街角の様子はわかるが、歩かないと気づかないこともある。それは小さくて、社会的な価値は低いだろうが、ブレイクスルーになる可能性は否定できない。

 Eの話はもっともだと納得できた。

 でも、新聞は購読しない。