監視カメラの効果は認めざるをえない

2015年 社会 社会
監視カメラの効果は認めざるをえない

 つまようじ男、硫酸男が相次いで逮捕され、監視カメラの性能と効果に驚いている。

 2015年1月18日、スーパーで売られているお菓子につまようじを混入させる動画をYoutubeに投稿していた少年が逮捕された。指名手配から4日後だった。未成年者であるため顔写真は公開されなかったが、駅や市街地の監視カメラの映像から足取りが捕捉されたそうだ。

 2015年4月7日、群馬県高崎市で複数の女性に「硫酸」をかけた男が逮捕された。男は容疑を否認している。顔の特徴がよくわかる監視カメラの画像が公開されてから、わずか一日の逮捕だった。

 群衆にまぎれた人間を、これほど早く見つけることができるとは!

 こんなスピード逮捕を見ちゃったら、これから犯罪を犯そうとする馬鹿も躊躇する。監視カメラの設置に批判的な人たちも、その効果は認めざるをえない。

 事件の現場になったショッピングセンターは、監視カメラの効果が証明されたことで、犯罪者にとって避けるべき場所になった。客達はこれまで以上に安心して買い物できる。もし監視カメラがなかったら、犯人が逮捕されても不安感が残り、客足が遠のいていただろう。

 監視カメラを設置する目的は、「犯罪の抑止」と「犯罪の証拠記録」だが、これらは両立しないジレンマがある。犯罪を抑止するためには目立つ監視カメラが必要だが、証拠記録のためには目立たない監視カメラが必要だからだ。
 しかしこうして効果が報道されると、ジレンマも吹っ飛ぶ。犯罪者は見えない監視カメラも意識しなければならないからだ。

 ほんと、これらの事件は監視カメラ普及のため、大々的に報道されたのではないかと思えてしまうよ。

 私は監視カメラの導入に賛成的な人間だ。監視カメラの映像による誤認逮捕や、プライバシー侵害といった問題もあるだろうが、監視カメラがなかったことによる損失を思えば、トレードオフできる。

 安心・安全な社会のため、監視カメラはますます増えていくだろう。特定の顔を識別するプログラムが開発され、官憲の追求を逃れることは難しくなるだろう。エスカレートすれば恐ろしい悪用も考えられるが、私が生きているあいだの安心・安全を考えれば、監視カメラは不可欠だと思う。