業務用スーパーの水ようかんの破壊力

2015年 食べる 食べる
業務用スーパーの水ようかんの破壊力

業務用スーパーで、牛乳パックに入った水ようかんを見つけた。

最初は「水ようかん風のジュース」だと思ったが、手にすると重く、振っても液体の音がしない。中身はぎっちり、水ようかんが入っているようだ。お値段158円(税別)で、1キロ、7人分か。
嫁を見ると、ふるふる首をふった。

私は1キロの水ようかんを1人で食えるか?

よろしい、ならば買おう!

家に帰って注ぎ口を全開にする。おそるおそる傾けると、ずるんと黒い直方体が出てきた。やっぱり水ようかんだ。スプーンを刺すと、ぱっくり割れた。残りはパックの中に引っ込んでもらって、冷蔵庫へ。しばらく大丈夫だろうが、長くは保たないな。可及的速やかに食べなければ。

スプーンでぱくぱく食べる。
甘い。容赦なく甘い。ブラックコーヒーを飲むが、それでも甘い。パッケージには「甘さ控えめ」と書いてあるし、たしかに甘さ控えめなんだけど、たくさん食えば関係ない。皿に盛った分を片付けても、まだたくさん残っている。だから、「もういやだ」と思うまで食える。

ぱくぱく、ぱくぱく、もういやだ。

ぱくぱく、ぱくぱく、もういやだ。

ぱくぱく、ぱくぱく、もういやだ。

ぱくぱく、ぱくぱく、もういやだ。

ぱくぱく、ぱくぱく、もういやだ。

ぱくぱく、ぱくぱく、もういやだ。

なんというか、奇妙な充実感がある。ただ血糖値が上がっているだけかもしれないが。

しかも意外に飽きない。たぶん、一口サイズの水ようかん=1キロ分だったら、飽きていただろう。牛乳パックに水ようかんを詰めて販売するなんて、よく思いついたもんだ。

食べ終わって数日後、「また食べてもいいかな?」と思いはじめた。

生クリームやチョコレート、プリン、ゼリー、ソフトクリーム、ドーナッツ...。
甘いモノはちょっとずつ、いろいろ食べることが幸せだと思っていたが、圧倒的質量という選択肢もあるんだな。

冷蔵庫を開ける。そこにもう、あいつはいない。