COSMOS コスモス(宇宙)カール・セーガン博士の宇宙旅行 (全13話) Cosmos: A Personal Voyage

1980年 海外ドラマ 4ツ星 ドキュメンタリー 宇宙開発 教養

想像の宇宙船に乗って...

私にとって『COSMOS』は映像作品ではなく、本だった。図書館で見つけ、何度も読んだ。いや、正直に言えば写真やイラスト、模式図に魅了された。内容を理解できたとは、とても言えない。宇宙の神秘に、ただただ興奮していた。
1980年のテレビ放送も見たはずだが、記憶があいまい。YouTubeにアップロードされていたので、2021年に再視聴した。

映像表現はもちろん古い。今ならCGで精細かつダイナミックに動くだろうが、そうじゃない。21世紀生まれの若者が見てもさっぱりだろうが、私は在りし日の興奮を呼び覚まされた。「想像の宇宙船」ってのがたまらない。今見るとただの部屋なんだけど、あのころの私はあそこで、博士と一緒に、宇宙旅行をした。

科学知識も古くなった。ボイジャーがまだ太陽系内にいる。同系統の動画や情報をいっぱい見てきたけど、なんだかんだでCOSMOSが起点だった。これ以前に宇宙カレンダーをどっかで見ただろうか?

41年分の知識と経験をもって見返すと、話があっちこっちに飛んでいる気がする。編集によってカットされた部分があるためかもしれない。
紹介された事例から、カール・セーガン博士の人となりがうかがい知れる。博士は地球外文明との接触に大きな期待を寄せている。人類の歴史に大きな感謝と責任感を抱いている。核戦争や環境汚染を警戒している。ヴェリコフスキーの仮説のような否定された学説にも価値を見出している。ヒュパティア殺害事件のような野蛮を嫌悪している。ドキュメンタリーを通じて博士の人類愛が伝わってくるから、本作は高く評価されたのだろう。

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CMコピーから、当時の日本人が自身をつけつつあるのがうかがえた。1980年代は、いろんな意味で伸び盛りだった。

宇宙の浜辺で-150億光年への出発- The Shores of the Cosmic Ocean
銀河旅行/エラトステネスの方法/地動説/ビッグバン/宇宙カレンダー
宇宙の音楽 One Voice in the Cosmic Fugue
地球外文明/壇ノ浦/人為選択・自然選択/生命進化/細胞の中へ/ユーリー-ミラーの実験/他天体での生命誕生の可能性
宇宙の調和 Harmony of the Worlds
原始時代の夜/星座/アナサジ族の天文台/クラウディウス・プトレマイオス/コペルニクス/ケプラー/Somnium
天国と地獄 Heaven and Hell
ツングースカ大爆発/彗星/ジョルダーノ・ブルーノの宇宙論/ヴェリコフスキーの仮説/金星の組成/温室効果/地球環境の保全
赤い星の神秘 Blues for a Red Planet
火星/宇宙戦争/パーシヴァル・ローウェルの主張/火星人
旅人の物語 Traveller's Tales
ボイジャー探査機/17世紀オランダの文化/ホイヘンスの推理/研究員たちの議論/土星/太陽系の外へ
天のかがり火 The Backbone of Night
セーガンの授業/神話の起こり/古代ギリシャ文明/科学の誕生/デモクリトスの原子論/アナクサゴラスの投獄/ピタゴラス/プラトン/天動説/星までの距離
時間と空間の旅 Journeys in Space and Time
光の速度/特殊相対性理論/光速度不変の原理/恒星間航行/タイムマシーン/太陽系の起源
星の誕生と死 The Lives of The Stars
原子の発見/核力/恒星で作られる元素/星の終わり/私たちの身体は星のかけら/重力変化のアリス/ブラックホール/別の宇宙の入り口/銀河系の営み
宇宙の地平線 The Edge of Forever
宇宙の起源/さまざまな銀河/赤方偏移/ミルトン・ヒューメイソンによるビッグバンの発見/ヒンドゥー教の宇宙観/宇宙は繰り返すか?/
未来への手紙 The Persistence of Memory
ワニの脳/地球の生物進化/遺伝情報の量/大脳の進化/図書館/ボイジャーレコード
宇宙人からの電報 Encyclopedia Galactica
シャンポリオンによるロゼッタストーン解読/電波望遠鏡による送受信/ドレイクの方程式/CONTACT/空想「銀河大百科事典」
地球の運命 Who Speaks for Earth?
異文明との接触/核戦争で滅びた地球文明/ヒュパティア殺害事件/宇宙から生まれた人類/宇宙とは、平和とは、科学とは? 私たちの生存はコスモスのために

カール・セーガン
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