TBSドラマ特別企画 太宰治物語 Tales of Osamu Dazai
2005年 日本映画 3ツ星 実話に基づくふらふら歩く太宰より、ストーリーがふらふらしてる
豊川悦司演じる太宰治は、かなりいい。誰かと一緒にいても、いつも心は遠くにあって、どうやっても満たされない男。そのくせ退廃的な魅力を放っている。その声、その眼差し、その歩き方がたまらない。
真実(生きること)を求める気持ちが強すぎて、現実(生活すること)から遠ざかっていく太宰治から目が離せない。
しかしストーリーはまとまりがなかった。「明るい太宰を描く」と宣伝されていたが、ぜんぜん明るくないし、暗くもない。どのくらい史実に忠実なのかわからないけど、おもしろくないのでは意味がない。
どの事件が、どの作品に、どのように反映されたかを、多方面から分析してほしかった。
太宰治のキャラクターがよかっただけに、惜しまれる。
太宰治
- 1992 走れメロス! ... 死ぬために走る。
- 2002 ピカレスク 人間失格 ... どんな人物?
- 2005 TBSドラマ特別企画 太宰治物語 ... 豊川悦司は魅力的。
- 2009 ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ ... 整理されてない。
- 2009 人間失格 / 青い文学シリーズ #01-04 ... 自分も破滅させる魔性。
- 2009 走れメロス / 青い文学シリーズ #09-10 ... 直球でも楽しめる。
- 2010 葉桜と魔笛 / 妖しき文豪怪談 #02 ... 翻案がいまひとつ。