世にも奇妙な物語 2018 秋の特別編 Yonimo Kimyouna Monogatari: 2018 Autumn

2018年 日本ドラマ 3ツ星 #世にも奇妙な物語

原作がある方がいいね。

幽霊社員

[あらすじ] 主人公は中年サラリーマン。やる気も存在感もなく、ただ定年までの4年を平穏に過ごそうとしていた。ある日、過労死した若手社員の幽霊と遭遇。彼を成仏させるため、やりかけの企画書を仕上げることになる。
主人公にもかつては情熱があったが、上司に成果を奪われ、失敗の責任を負わされ、過労死する同僚たちを見て、なにもしないと決めたのだった。それでも企画書ができあがってくると、情熱に火が灯る。気持ちが前向きになると周囲の見る目も変わった。幽霊社員たちはお祓いによって成仏してしまうが、主人公はプレゼンをやり遂げる。主人公は安堵するが、同じく過労死した社員たちの霊が押し寄せてきた。

[感想] 黒澤明「生きる」を彷彿させる。死んで終わらないのでどうなるかと思ったが、まぁ、そう来たか。過労死する人がそんだけ多いってことは、やっぱり会社に問題があったようだ。

あしたのあたし

[あらすじ] 主人公は結婚生活に退屈している女性。ある日、スマートフォンに「あしたのあたし」というドラマの予告編が配信される。そこには元カレと再会して、恋が始まる自分自身が映っていた。動画のとおり元カレと再会して、恋がはじまる。動画と異なるところも多いが、主人公は不倫に夢中になっていく。しかし元カレの彼女と衝突し、夫の元へ帰る。
予告編では夫が死ぬことになっていたが、刺されたのは主人公だった。元カレの彼女が襲ってきたのだ。主人公はサイボーグになって復讐する夢を見るが、そんな未来はなかった。

[感想] 現実と予告編を区別しづらい。見せ方を工夫してほしかった。主人公に落ち度らしい落ち度はなく、結末に意味を見いだせない。こうなると予告編の意味もわからない。すっきりしない。

クリスマスの怪物

[あらすじ] 主人公はかわいい女の子。彼氏がホテルディナーを予約してくれたので、最高のクリスマスと、プロポーズを期待している。ふと、クリスマスに現れる怪物のことを思い出す。7年前、クラスメートが三塚という女性とをいじめ、重篤な障害を負わせてしまった。それ以来、クリスマスになると三塚はいじめっ子たちの前に現れるのだ。「それは神様が許しを請うチャンスを与えてるんだよ」彼氏の解釈に吹き出す主人公。
ディナーのあと、駐車場で怪物と遭遇。主人公は逆上し、怪物の首を絞めようとするが、彼氏に止められる。怪物の正体はいじめっ子。罰を受け、怪物にされてしまったのだ。そして彼氏の正体こそが、三塚だった。許しを請うことができなかった主人公は、怪物になってしまう。
[原作] 朱川湊人「薄氷の日」(集英社文庫『水銀虫』収録)

[感想] 怪物に襲われた主人公が、悲鳴をあげ逃げるのではなく、反撃するのはよかった。あとはテンプレート通り。

脱出不可

[あらすじ] 主人公は若い男。目が覚めるとコンクリートの狭い部屋に監禁されていた。暗証番号を入力しないと、ドアは開かない。部屋の温度はどんどん上昇している。主人公の様子はネット上に公開されており、コメントがついている。同じように監禁された人もいるが、コメントでヒントをもらっているようだ。主人公もパズルを解いていく。やがて監禁されている人たちが、ある火災に関与した人たちと判明する。これはゲームではなく復讐だ。主人公は関係ないと思われたが、彼は第一発見者で、消防署に連絡すべきだった。
なんとかパズルをクリアした主人公は脱出し、帰宅する。しかし自分が放火した証拠がネットに流れており、恋人に拒絶される。

[感想] 途中までよかったが、結末が意味不明。放火は捏造なのか、真実なのか?

マスマティックな夕暮れ

[あらすじ] 主人公は女子高生。不良グループたちに呼び止められ、数学のことを質問される。不良グループは、事故死したリーダーを生き返らせるため、黒魔術の儀式を行いたいが、書いてあることがわからないと言う。よく見ると魔術書には数学の知識がふんだんに使われていて、勉強しなければならない。不調たちは熱心に勉強して、不良でなくなっていく。
ついに儀式は成功し、リーダーが復活する。リーダーは不良でなくなった仲間たちに戸惑う。もはや話す言葉も通じなくなり、不良たちがリーダーに引っ張られることはないだろう。
そこへ別の男性がやってきて、主人公に魔術書の意味を教えてほしいと懇願する。
[原作] 諏訪 雅「マスマティックな夕暮れ」(ヨーロッパ企画)

[感想] 今回のヒット。言葉が通じない不良たちが、少しずつ賢くなり、更生していくさまは痛快だった。しかしラストで新たな魔術書が出たことで、神様のプレゼントと思えなくなった。ちと蛇足かな。

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