嘘つき姫と盲目王子 (PS4) The Liar Princess and the Blind Prince

2018年 ゲーム 2ツ星 ファンタジー:童話 モンスター 主人公は動物 変身

選択させてくれ!

これはどこか異国のちいさな恋のお話。
化け物に襲われ、光を失った王子さまと、そんな彼が気になるお姫さま。
ふたりはお城を抜け出して、王子さまの目が治るよう、森の魔女へお願いしに旅立ちました。
でも、お姫さまには王子さまにはいえない秘密があるのです。

───本当のわたしでは、あなたに触れられない。

 王子がお姫様を守るのではない。お姫様が目的を決め、段取りして、モンスターを駆除し、王子の食事や寝床を整え、花まで用意する。これが21世紀の「男の物語」ってやつか?

 姫(狼)は王子を失明させたことを悔やんでいるが、無防備に山を登ってきた王子の過失も大きい。それでも姫(狼)は、歌声を捨ててまで王子を救おうとする。かたや王子はなにも決めない。ただ姫を嘘つきとなじるだけ。事情を知ると、今度は姫に戦闘を要求する。なんだそりゃ? あまりにも非対称。

 王子は人間を捨て、狼として姫を追うべきだった

 途中、姫は崖から落ちそうになった王子の手を掴む。姫の姿では引き上げられないが、本当の姿(狼)は拒絶される。このときは事なきを得たが、そうでなかったら? 偽りの関係と王子のいのち、どちらを優先するか? そこをプレイヤーに考えさせるシーンだが、本番はなかった。プレイヤーの選択ではなく、月光によって正体がバレてしまうなんて。
 ここで「王子を救う」を選択できなかったのは、強烈な不満。以降、ストーリーはどうでもよくなってしまった。

 自分が物語を動かしている実感がほしかった。
 ぶっちゃけ、偽りの関係を選択したっていいじゃない。
 選択させてほしかった。

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