栄光と伝説 / ウルトラセブン1999最終章6部作 (1/6) Heisei Ultraseven(1999) The Final Chapters 1 Glory and Legend
1999年 特撮 4ツ星 #ウルトラシリーズ地球防衛軍が宇宙侵略軍に変わるとき
あらすじ
ワープ航法を開発した人類は、惑星ヴァルキューレに探査船を送った。だがそれは、異星人への先制攻撃を実現する《フレンドシップ計画》の一環だった。脅威を感じたヴァルキューレ星人は地球に飛来し、地球防衛軍を攪乱する。これによってフルハシ参謀が死亡し、ウルトラ警備隊も社会の信用を失ってしまう。地球防衛軍のカジ参謀は、この混乱に乗じて計画を一気に進めてしまう。
細かなところで演出不足を感じる。フルハシ参謀はなぜ脱出シャトルに乗らなかったのか? 先輩たちの魂を受け継ぐウルトラ警備隊が、民衆の信頼を得られず、安直な疑心暗鬼の罠から抜け出せないのはお粗末すぎる。実体のないヴァルキューレ星人がいきなり巨大化&実力行使するのはどうよ? この流れで戦うべきはセブンじゃなくて、ウルトラ警備隊だろう。
ダンがカザモリ隊員をどう処したか明言されないのも奇妙だ。カザモリ隊員が死んだとは思わないが、ハヤタ隊員のように一体化したのか、そっくりに化けたのかは明らかにしてほしい。でないとカザモリに親近感をおぼえない。ヴァルキューレ星人が仕掛けた罠を、カザモリ隊員が自己犠牲によって打ち破る。その姿に感心したダンは、好意をもってカザモリ隊員の姿を借りる。都合のいい若者ではなく、セブンが地球の未来に希望をもつ理由として、カザモリ隊員を描いてほしかった。
ヴァルキューレ星人の能力を考えれば、カジ参謀は洗脳されている可能性が浮上する。きちんと調査して、カジ参謀が人間であり、おのれの信念で動いていることを明らかにしなければ、異星人の新たな侵略ではないかと勘ぐってしまう。このあたりも足りない。
どんな最新鋭のシステムより、侵略者にとっては君たちほど恐ろしい存在はいない。
センサーに感じられないものを、レンズにも映らないものを、
そしてデータにも残らないことも、人間は感じとれる力を持つ。心を持つ。
人間なら、フルハシ参謀に選ばれた人間だと言う誇りを忘れずに戦ってくれ。
いいセリフなんだけどなぁ。
とまぁ、もったいないところはあるんだけど、全体的な満足は高い。ここで提示されたテーマが、最終作6部作の根幹をなしているのもうれしい。こうあるべきと思えるシリーズ幕開けだった。
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