みゆき (実写版) Miyuki

1983年 日本映画 2ツ星 学校 恋愛

禁断のリバースエンジニアリング

漫画では違和感のなかったシーンも、実写で見るとその不自然さにめまいを起こす。それでいて本当にヤバイ接触や露出はない。入浴も泡風呂という徹底ぶり。実写でやると、こうも印象が変わるのか。
実写化がいいの悪いのではなく、自分が喜んでいた漫画の世界が、いかに非現実的かを思い知らされた。

恋愛映画としてみると、退屈きわまりない。ところが後半、原作になかったシーンが挿入されると、彼女たちが記号ではなく、体温と感情を持った人間だとわかる。ぐっと気持ちが揺れるけど、それも一瞬で、すべては既定路線に収まって、シチュエーションが完成する。

実写化して楽しい原作ではなかった。
それでも一瞬のきらめきを描くことができた監督に、称賛をおくりたい。

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