太陽を盗んだ男 The man who stole the sun

1979年 日本映画 5ツ星 テロ 狂気

「おれは・・・9番」

中学校の理科教師・城戸誠が原子爆弾を作って、政府を脅迫する話。城戸の視点で描かれているのに、その目的はさっぱりわからない。城戸自身もわかってないようだ。ただ、充実しているのはわかる。

「わからないことがわかる」ってのは、素晴らしい。沢田研二のトボけた佇まいが城戸のキャラクターにぴったり。おもしろい。

敵として立ちはだかるのは、菅原文太。沢田研二と反対だが、似ているような気もする。おもしろい。

城戸に協力する零子も不可解。なんの義理があって城戸に味方するのか。意味がわかっているのか? なにを期待しているのか? わけがわからない。

まぁ、そういう時代だったのかもしれない。退屈で、不安で、満たされているのに、飢えていた。狂っていたのは、城戸だけじゃない。だからなにもかも、ふっ飛ばしたい。

最後の最後まで破天荒。
おもしろい。
日本映画の傑作である。

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