グランツーリスモ (PS) GRAN TURISMO
1997年 ゲーム 4ツ星 ゲーム:スポーツ認識を試されるゲームだった
実在するクルマの形状や挙動にこだわったレーシングゲーム。あいにく私は実在するクルマに詳しくないが、ボディの光沢や、ドリフトの感覚など、そのリアリティに衝撃を受けた。こんなゲームが、家庭で楽しめる時代になったのか。
しかしリアルになった分、ゲームは難しくなった。本物のドライビングテクニックが必要になったからだ。とはいえ、『グランツーリスモ』はゲームであって、シミュレーターではない。運転免許を取っていたから、現実のクルマとの違いはわかる。かといってゲームとして割り切れない。友だちが持っていたGT-Rに乗せてもらうと、さらに感覚が狂う。
ゲームに集中すると、どうしても身体が動いてしまう。コントロールパッドに引っ張られ、2プレイ側の視界を妨害することもしばしば。ネジコンを使うと身体の動きは収まるが、自分がなにを操作しているのかわからなくなる。
ゲームそのものは難しくないが、ゲームをゲームとして認識することが難しかった。
本作が切りひらいたリアル系レーシングゲームは、今も進化を続けている。しかし最初の衝撃は、やはり格別のものがあった。これは同じ時代に生きた人にしか、わかってもらえないと思う。