AMON デビルマン黙示録 Amon: The Apocalypse of Devilman

4ツ星

狂わないほうが、狂ってる

原作コミックを読まずに見たので、状況がさっぱりわからない。OVAデビルマン（全2巻）より後だが、連続しない。さらに結末も描かれない。前後不明の中ボス戦のみ。非常に不親切なアニメだ。

しかし内容は濃い。そしてグロい。内蔵を見せないグロ表現ではトップレベルだ。戦い方も強烈で、「ビームでどっかん！」ではなく「とっつかまえて顔面を連打！　ひたすら連打！」である。細かな描き込みには執念さえ感じる。

「人間であることは捨てたが、人間の心は捨ててない！」

不動明は叫ぶが、周囲の人間はとっくに心を捨ててるし、そもそも人間がどれほど残っているのか。こんな状況じゃ、発狂しない方が狂ってる。すさまじい展開だ。

1時間30分はあっという間に終わる。喉が渇き、手に汗握るほど濃密な作品だった。難解で不親切、子どもには見せられない。しかしこの調子で、最初から最後まで作ってほしい。

（追伸）
原作コミックを読むと、本作がミッシングリンクを描いていたことがわかる。全５巻と短いが、それでもすべて映像化するのは大変だ。だから、ないところを描いたのか。素晴らしい！
広くより狭く、浅くより深く。潔いアニメ化だった。