学校の怪談 春の物の怪スペシャル GAKKOU NO KWAIDAN Mononoke Special

2001年 日本映画 3ツ星 ★妄想リメイク モンスター:妖怪 モンスター:悪魔 学校 幽霊 超能力

これはこういうものか

「学校の怪談」シリーズのスペシャル番組。『学校の怪談 物の怪スペシャル』というタイトルでビデオソフト化された。学校をテーマにしたショートホラーオムニバスだが、方向性に統一感はなく、「世にも奇妙な物語」との差別化がでてきないが、それはまぁ、気にするところではないか。

オープニング&エンディング:魔界学園

[あらすじ] テレビの中に吸い込まれた。

[感想] 竹中直人でなければ成立しなかった。

第1話:怪猫伝説

[あらすじ] 主人公は冴えない大学生。ある日、あこがれの先輩が部屋にあがりこんできたが、様子がおかしい。彼女の中身は主人公が飼っている猫で、事故で先輩の体に入ってしまったと言う。先輩(猫)は自分の飼い方に文句を言ったり、先輩とのアプローチを応援する。やがて瀕死の猫が見つかる。主人公が手術してやると、猫は回復し、先輩も元にもどった。

[感想] 先輩の身体だけ手に入れるチャンスかと興奮したが、それはなかった。中身が猫だと馴れ馴れしくなる主人公が気に入らない。両親の訪問に猫だけ残して去ろうとしたのは最低。先輩(猫)が窓枠から入れなかったり、歯磨き粉をいやがってクローゼットに登るなどの描写は愛らしかった。「先輩の身体を借りた」というプロットが物語の邪魔になっている。「女子高生に化けた」でよかったのでは?

第2話:何かが憑いている

[あらすじ] 主人公は女子高生。中学時代、ミカという女の子を好きになったが、ちがう高校に進学したので疎遠になる。しばらくして再会するとミカは陰気に変わり果てていた。なにかに憑かれていると霊能者は指摘するのだが...

[感想] やせ衰え、奇行が目立つようになるミカだが、ほとんど画面に映らない。ただ主人公が怯えることで、どんな顔なんだろうと想像させる演出はおもしろい。よって男性の声でしゃべるシーンの白目アップは不要だ。主人公が好きな人への興味を失っていく過程がリアル。それが原因かと思ったが、よくわからないまま終了。ちゃんと解決してほしい。

妄想リメイク

 女子高生のユミは、なんとなくチヅルと付き合っている。ユミがネコ(受動的)、チヅルがタチ(能動的)である。中学時代、チヅルにはミカという恋人がいたが、ちがう高校に進学したため分かれていた。なんとなく興味をもったユミは、ミカに会いに行くと、彼女はやせ衰え、奇行が目立ち、「狐憑き」と噂される有り様だった。チヅルへの思いが彼女を変えてしまったのだろうか。

 そのことをチヅルに話すと、最初は関心を示さなかったが、ユミの説得もあってお見舞いに行くことになった。チヅルは(現在の恋人である)ユミのため、(過去の恋人である)ミカの話題を避けていたが、内心では心配していたのだ。

 チヅルがミカの部屋に入ると、ユカは部屋の外で聞き耳を立てる。チヅルは、ユカのまえではタチだが、ミカのまえではネコだった。チヅルは自分を捨てたミカをうらみ、不幸を願っていた。そのことを詫びるとミカは元にもどり、ふたりはあらためて、きちんと別れた。

 ミカに憑いていたのはチヅルの未練だったのかもしれない。

第3話:俺たちの文化祭

[あらすじ] 70年代。主人公はデモやロック、超能力にあこがれる高校生。文化祭でロックバンドをやるつもりが万引きがばれて停学になる。そんな折、ロックな女教師と出会い、意気投合する。しかし彼女は死んでいることがわかって、主人公は屋上ライブを敢行する。

[感想] 女教師は「ルールなんて破るためにある」というが、人間と接触したことで現世にいられなくなる。ルールを破ればペナルティがあるわけだ。主人公は、ペナルティをわかった上で屋上ライブをやったのだろうか? 現代から20年前を回想する構成でもよかったと思うが、それじゃ陳腐かな?

妄想リメイク

 主人公は学校の先生。文化祭を前にルールを破る生徒が多いので、昔話をする。
 昔、この学校の生徒だったころ、主人公はロックバンドにあこがれ、ルールは破るものと思っていた。しかしルールを破ったことで停学になり、文化祭に出演できなくなる。むしゃくしゃしていると、きれいな女教師と知り合い、意気投合する。しかし彼女は幽霊で、生きてる人間に接触してはならないというルールを破ったため、あの世に戻ってしまう(主人公にキスした)。主人公は彼女のため、屋上ライブを敢行。ふたたび停学になった。ルールを破るとペナルティがあるんだと諭す。
 その話を聞いた生徒たちは、いっせいに屋上ライブをはじめた。

第4話:花子さん

[あらすじ] 廃校舎を訪れた男女が花子に襲われ、全滅する。

[感想] いきなり出現し、「顔を見たら消滅する」と言う特性は恐ろしい。しかし有効な対策を打てないまま蹂躙されてしまったのは物足りない。

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