11人いる! They Were Eleven

1986年 アニメ 3ツ星 SF 学校 密室 超能力

フロルの声、すげぇ。

2020年に鑑賞。1986年当時、私は15歳。アニメ雑誌で紹介記事を見たが、劇場で見る余裕はなかった。

まず驚くのはフロルの声。ベテラン声優が周辺を固めているから、むちゃくちゃ目立つ。まぁ、フロルは浮世離れした容姿、性格、設定だけどさ。アニメは美女演出がゴージャスになって、頭がクラクラしたが、やがて慣れて、くせになった。これはこれで合ってる。

主人公タダは有能で、人格者で、超能力をもち、過去の因縁もあって、イケボで、いくらなんでも過積載。11人もいるんだから少し分けてやればいいのに。

ほかの受験生は外見以上の個性は乏しい。彼らはエリート中のエリートのはずだが、判断は平凡で、知識は偏っている。ちぐはぐだ。

殺人も悪意もなかったことは驚き。その手があったか、と膝を叩いた。

シメは原作最終コマの「未来へ!」に軍配が上がる。全体的にテンポが悪い。オリジナルエピソードを盛り込めばよかったのに。

性の選択

フロルは設定が特殊すぎて、「性の選択」というテーマがぼけてしまった。フロルがどっちの性を選んだかは描かれないが、「タダと結ばれること」「女性を選ぶこと」は既定路線になっている。

アマゾンがフロルに求婚したり、フォースが男性を選んだ女性だったりすれば、テーマを掘り下げられただろう。個人的には、フロルはタダの妻ではなく相棒になるため、男性を選択すればおもしろかったと思う。

こうしたSF作品も減ってしまったなぁ。
SFブーム再燃を期待してやまない。

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