将軍家光の乱心 激突 Shogun's Shadow

1989年 日本映画 2ツ星 アクション チャンバラ 時代劇

おもしろいけど、おもしろくない

起承転結がしっかりしたストーリー。JACの大胆なアクション。クライマックスの侍同士の激突も興奮した。ツボをおさえた痛快時代劇である。ただ……シーンの変わり目でテンションが下がることも事実。京本政樹の狂気がぬるいとか、松方弘樹が浮いているとか、屋台骨がゆれてるんだよね。惜しい。『七人の侍』や『里見八犬伝』といった傑作をなぞっているのに、この物足りなさはなんだろう。

当時の東映とJACの全力が見られる意義は大きい。むしろ、彼らが全力を尽くすために、映画が制作されたような印象を受ける。CG技術がないから、イメージがそのまま映像化されるわけじゃない。おのずと撮れるもの、撮れないものがある。そして撮れるものを限界まで描くために、ストーリーやキャラが動いている。なので、無茶なシーンもあるわけだが、それがまた楽しい映画だった。

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