[レビュー1996年04月29日に発表された 

復刻版 ひょっこりひょうたん島 魔女リカの巻 (全4回) Hyokkori Hyoutan Jima Majo Rika no maki

ミュージカル 人形
更新日:2013年09月05日(木) 12:05 [Edit]

井上ひさしの世界観

2011年に鑑賞。有名な作品だから名前は知っていたけど、ちゃんと見たのは初めて。めちゃめちゃ、おもしろかった。子ども向けだが、子どもだましじゃない。この番組を見てなにも感じない大人は、そうとうヤバイ。これほど魅力的なコンテンツを知らなかったことを恥じる。
しかも本作はリメイク版(1991-2003)の1つだった。オリジナル版(1964-69)は多くのフィルムが失われているため、もう見ることはできない。貴重な文化遺産がもったいない。リメイク版にオリジナル版の声優が多く参加してくれたことがうれしい。井上ひさしが2010年に亡くなったため、今後のリメイクは未定らしい。亡くなった声優も多い。もう、無理なのだろうか。

魔女リカの巻について述べる。物語のあらましは知っていたけど、人形の動きと声が入るとぜんぜんちがう。子どもたちは本当にかわいげがない。したたかで、ずる賢く、あけすけだ。近くにいたら眉をひそめ、退散するだろう。だけどなんと愛おしいことか。一方で大人たちのせせこましさも泣ける。みんな、生きている。人形なのに、あるいは人形だからこそ、強くいのちを感じる。
歌も素晴らしい。ミュージカルに興奮したのは初めてかもしれない。

井上ひさしの作家性に圧倒される。しかしそれゆえ、別の人があとを継げなかったのかもしれない。リメイク版はほかにもあるから、見てみたい。

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