のび太の結婚前夜 Nobita's the Night Before a Wedding

1999年 アニメ 5ツ星 #ドラえもん タイムトラベル

大人になるって、どういうことだろう?

タブーとも言える未来の自分を、あっさり見せちゃうドラえもんに驚愕。まぁ、ドラえもんは過去を書き換えるために派遣されたロボットだから、このくらいは規定事項か。

青年のび太やしずか、ジャイアン、スネ夫たちは、とても新鮮だった。同じ声優さんが声色を変えて演じているので、とても新鮮。変わったのは声や外見だけじゃない。ちょっとしたセリフや仕草に、大人になった自信や、互いへの信頼がにじむ。それでいて子どものころの純真さ、冒険心は残ってる。なんて気持ちのいい連中だろう。

青年のび太は無鉄砲で、みんなに支えられてなんとかやっている。はっきり言って駄目なやつだ。そんな青年のび太を、しずかの父親は認めてくれる。大切に育てられた娘さんを託される喜びと重責に、胸がいっぱいになる。ここで自分を卑下せず、「きっと幸せにする!」と言えるのび太がたのもしい。

大人になって、特別な能力が身についたわけじゃない。ただ、自分をつらぬき、周囲に認めてもらっただけ。しかしそれこそが大人になることなんだと思う。結婚式の当日ではなく、前日に訪れたことも意義深い。大切なのは結果ではなく、そこに至る経緯なのだから。

そういえば未来世界にドラえもんの姿はなかった。そのことが暗に示すのは、のび太の成長には、ドラえもんとの別れが不可欠だってこと。大人になることは、得ることばかりじゃないのかもしれない。

ドラえもん
第1期 (1979-2005)
第2期 (2005-)
その他

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